第6話


まさか……。


その先を言葉にすることが怖ろしく、高遠は左右に首を振った。


いや、ない。ない。


あり得ない。


いくら酔ってたからって、俺がそんな失態(しったい)を犯すはずがない。


見知らぬ女をベッドに連れ込むなんて、そんな真似するはずが――。


「高遠はむっつりさんだねー」


楽しそうに――いや、『楽しそう』ではなく、心底『楽しんで』いるのだろう――

唇を持ち上げ、彼女はうふふと笑った。


「お前、誰なんだよ」


敬語を解き、高遠は素に戻って言った。


「何で俺の名前を知ってる」

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