久しぶりの休み

 食料配給のクエストを達成したニラダ達はそれぞれ2日間の休みを取る事となり、ニラダはドットの工房を訪れ話をしていた。


「そんな事があったのか、そんでその武道家にいつ技を教えてもらうんだ?」

「ケンさんも忙しそうだし、いつにするかははっきりとは決めていないよ」


 ドットにケンから武道家の技を教えてもらう約束をした事を話すと、更にニラダは自分の考えている事を打ち明ける。


「他にも今使っている武器が得意人に技を教えてもらう事を考えているんだけど、どんな人がいいかな?」

「おいおいやる気があるのはいいけどあんま根詰め過ぎんなよ、お前はパーティーの前衛でもあるがリーダーでもあるんだから、困ったら仲間に相談するのも大事だぞ」

「相談か……考えたら俺みたいに新人でリーダーなんてやってる冒険者なんていないから、どうすればいいのか」

「いや、お前以外にもいるぜ」


 ニラダは自分以外に新人がリーダーをやっている事はないと考えていたがドットから他にもいると聞いて、驚愕し、誰かを尋ねる。


「え?そんな人いるの誰⁉」

「お前の師匠、そして俺の兄貴であるガンディーだ」

「し、師匠が新人の頃にリーダーを?」

「聞いてねえか、まあ無理もねえな随分前の事だし、兄貴もどういうわけか現役の頃の話はあんましたがらなかったからな」


 ニラダの師匠である魔法使いガンディーはドットの兄でもあり、更にかつては冒険者であり、新人ながらリーダーを務めていたというのだ。


「だけど師匠は俺と違ってあらゆる魔法を使いこなしていたし、パーティーから加入を断られるとは思わないんだけど」

「問題は兄貴のあの性格だ、兄貴は若いながらも熟練の魔法使いを凌ぐ魔力量、そして豊富な魔法を使いこなしてはいたが、その事もあって誘ってくるパーティーに上から目線で接して新人のくせに生意気だと言われて総スカンを喰らっちまった」

「ああ、なんか想像がつくな」

「ところが兄貴はソロ活動でも難なくクエストをこなし、順調にランクを上げていった」


 ニラダの師匠であるガンディーが次から次へとクエストをこなし、順調にランクを上げた話を聞いてニラダは疑問を口にする。


「でも確か師匠は俺みたいに補助魔法が強力になるスキルを所持していなかったはず、前衛もいなかったのに、よくソロ活動ができたな」

「そんだけずば抜けた力だってこった」

「師匠、冒険者としてもかなりの活躍をしていたんだな」


 ドットより、自分の師匠の過去を聞いてニラダは師匠のすごさを改めて感じるのであった。

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