船酔い

 港町に到着したニラダ達は後続の冒険者を待ちながら港町の船を見渡しており、そして今回渡航する予定の冒険者が全員トンに到着するとギルド職員が呼びかける。


「皆様、長旅お疲れ様です、ですが、既に船の手配及び出港準備はできているので皆さんはこのまま船に乗っていただきます」


 ギルド職員の呼びかけを聞いて、ニラダ達は船に乗る事について話す。


「早速か、休む暇もないな」

「しかも魔の国自体には2日ほどで到着するし、そこに着けば」

「魔王復活阻止の為に決戦なんだよね」

「ああ……」


 そしてニラダ達も遂に船に乗り込み、残りの冒険者が乗るのを待っている間にミヨモが船に乗った感想を述べる。


「これが船何だね、本当に海の上に浮かんでいるすごい!」

「ミヨモは本当に船が初めてで新鮮なのね」

「俺も船に乗るのは初めてだが、これが動くんだよな」

「そうだな、人によっては船酔いもあるそうだし、そこは気をつけろよ」


 ニラダが船酔いに気を付けた方がいいいと、ミヨモやジャンに告げるとミヨモもジャンもそれについて返事をする。


「大丈夫だよ、私達もう魔王復活阻止で気持ちが高ぶっているし船で酔ったりしないよ」

「そうそう、魔王軍を前に船酔いなんてしてられっかよ」

「そ、そう……でも……」

「なんか嫌な予感がするわね……」


 そして遂に船は出航し、一路魔の国を目指し始める。


「ええ、ただいま船は出航しました。夜間も航海するので警戒の為に冒険者の皆さんは交代で夜間の番をお願いします」


 夜間も航海し続ける為、冒険者は交代で夜間も船の番をする事となり、更に緊張が増すのだ。


「夜間の番か、まあそれは冒険者じゃねえと務まらねえよな」

「ええ、ただの航海じゃないからね」

「やっぱり緊張して船酔いどころじゃないよ」

「ミヨモ、実は結構気にしている?」


 その言葉から時間が経ち、ニラダとティアの悪い予感は的中したのだ。


「ううう、気持ち悪いよ……」

「何だってこんなのに乗るんだ、もっと頑丈で揺れが少ないのはねえのか……」

「やっぱり、嫌な予感が的中してしまった」

「この船も結構いい船だからやっぱりミヨモやジャンが船酔いしやすい体質だったのね」

「大丈夫ですか?よろしければこちらの船室でお休みください、他にも休まれている方はいらっしゃいますので」


 ギルド職員に休む事を勧められたミヨモとジャンは船室に案内されて休む事になり、ニラダ達に謝罪する。


「ごめん、ニラダ君、ティアさん」

「すまねえ、俺としたことが」

「いいって、どうにか魔の国に着くまでに元気になってくれたら」

「ええ、夜間の番も私達だけでするから」


 どうにか2日後到着時には立ち直れたのであった。

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