到着トンの港町

 デデンの街から馬車に乗り込んだニラダ達『成長しあう者達』は休みながらの移動を重ね、トンの港町へ到着した。


 トンの港町に着くと、ニラダ達は馬車を降りて街中を見渡す。


「ここがトンの港町か」

「船がいっぱいだーーー、私、港町に来るの初めてだから新鮮だな」

「おいおい、ミヨモ、遊びに来たんじゃないんだぞ」

「分かってるよ、だから今度はその、クエストとか以外でも船旅ができればなって思って」


 ジャンからはしゃぎ過ぎないように釘を刺されるがミヨモはいつか自由に船旅ができればと話すと、その発言にティアが同意する。


「そうね、そのためにも魔王復活は阻止して生きて帰りましょう」

「うん」

「それができるかどうかは俺に、そしてこのホープブレード、さらにおじさんが俺に作ってくれた成長の証、すべてはこれにかかっているんだ」

「ニラダ、確かにお前の持ってるアイテムは瘴気を打ち破る手段だが、あまり気負い過ぎるなよ」


 ニラダは自分が所持するホープブレードや成長の証が結界を破壊し、瘴気を打ち消すのに有効である為、気負いを見せるがジャンより気負い過ぎないように助言を受けるとミヨモとティアもニラダに声をかける。


「そうだよニラダ君、ホープブレードはニラダ君にしか扱えない剣だけど、私達だって少しでもニラダ君が上手くいくよう手伝うから」

「自分の命、そして私達や他の冒険者の命もかかっているから不安になるのは仕方ないわ、でもね私達も少しでもあなたの負担を減らす為に力を貸すから」

「そういう事だ、俺達はできる限りお前がしくじらねえようにしてやるから、お前は自分のやる事にだけ集中しろ」

「みんな、そうだな、あの時もみんなが願い出てくれるし、俺はみんなや他の人達の道を作る。みんなには俺の命を預ける」


 ニラダが仲間の言葉を受け、命を預ける宣言をすると少し遠くにいたガンディーは無言で見つめておりカイルに声をかけられる。


「いいんですか声をかけなくて?この作戦を立案したのはガンディーさんなのに」

「カイル、最終的にあいつが選んだとはいえ、俺は自分の弟子をむざむざ命の危機にさらす作戦しか思いつかなかったダメ師匠だぞ」

「ガンディーさん……」

「だが、あいつらはそんな俺の考えを越えやがったニラダの命を救いながら作戦の成功率も上げるというな、もう俺からニラダに言う事はねえよ」


 カイルはガンディーの言葉からニラダ本人に対し強気な発言が多いものの、ニラダに対して立派な師ではいれたかという不安を感じていたのだ。

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