成長の証

 ドットより最終試験を突破したという事で魔法効果を高めるベルトをドットより受け取ったニラダはデデンの街で待つパーティーメンバーの元へと戻って行った。


 他のメンバーが待つ飲食店へと行き、仲間の姿を確認するとニラダは声をかける。


「みんな戻ったぞ」

「あ、ニラダ君お帰り」

「聞いたわよ、ドットさんの所に行っていたそうね」

「用はもういいのか?」


 仲間達より出迎えられたニラダを見てミヨモは新しいベルトに気付き、その事に触れる。


「ニラダ君、そのベルトってどうしたの?」

「ああ、最終試験を突破したとかでおじさんがあらかじめ作っていてくれてその報告に行ったらくれたんだ」

「最終試験ね、ねえニラダもしかしてニラダもドットさんとガンディーさんが連絡をとっていた事に気付いたの?」

って事はティアも気付いたのか?」


 ティアもドットとガンディーが互いに連絡をとっていた事に気付いていた事にニラダは驚き、更にティアは言葉を続ける。


「その事に気付いたから、そのベルトをもらえたわけね」

「それで、そのベルトってどんな効果があるの?」

「ああ、それはね……」


 ニラダはドットより受け取ったベルトが魔法効果を高めると話し、仲間達は驚愕する。


「す、すごいよニラダ君、ますます補助魔法とスキルが強くなるよ」

「だけど、装着した時点での能力に依存するからここまで渡さなかったわけね」

「なあ、ニラダ、そのベルトの名前は何て言うんだ?」

「え?ベルトの名前、ああ、そういえば聞いてなかったな」


 ベルトの名前を聞いていなかったニラダにジャンは呆れるように言い放つ。


「おいおい、何やってんだよお前は?」

「いや、だってさちょっと聞くような空気じゃなかったしさ」

「仕方ねえな、それじゃあ俺達で名前を付けてやる」

「うーーん、難しいなあ」

「ベルト、魔法効果……何かしら?」

「……証」

「ジャン、今なんて言った?」

「このベルトってよ、今のお前だから最大限に力を発揮できるんだよな、だからよ『成長の証』っつう名前はどうだ?」


 ジャンよりベルトの名前が今のニラダだからこそ最大限に力を発揮するという事で『成長の証』と提案し、その提案に一同が賛同する。


「うん、いいと思う」

「そうね、それにその名前はニラダだけでなく私達『成長しあう者達』を象徴する名前だわ」

「ジャン、ジャンのセンスも成長している証だな」

「おいおい、俺のセンスは最初からピカイチだぞ」

「そうだったけなあ」

「そういう事にしてあげましょうニラダ」

「うんうん」


『成長の証』それはまさに『成長しあう者達』を象徴する名前であった。

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