ゲンの弟子

 ニラダ達は冒険者やドットに対する嫌悪感がぬぐえないゲンへの依頼を断念しかけるが、その時ゲンの工房で修行しているカールがニラダ達を発見し声をかけ、カールの存在に気付いたニラダが声をかけ返す。


「あなたは確かゲンさんの工房にいた……」

「はあ、はあ、僕はカール、親方の所で鍛冶師になる為の修行をしています」

「親方は俺達を追い返したのに、俺達に何の用だ?まだ言い足りねえ事でもあるのか?」

「ちょっとジャン!」


 ジャンはニラダに対してのあたりのきつさもあり、ゲンに対して不快な感情があり、わざわざ自分達の前に現れたカールにも思わず問い詰めてしまうが、その状況をティアがたしなめる。


「いえ、僕もさっきの親方の態度に思う事があったので、あなた達を探していたんですが……」

「親方に代わって俺達に謝る為にわざわざ探していたのか?」

「それだけじゃなく、あなた達に話しておきたい事があって」

「私達に?」


 ミヨモがカールが自分達に話したい事があると言って疑問を感じるが、カールは場所を変える提案をする。


「とりあえずここじゃあ誰に聞かれるか分かんないので、僕の家まで移動しましょう」


 カールが話したい事があると言って自分の家までの移動を提案をするが、ニラダに意見を聞くべくジャンが耳打ちで尋ねる。


「どうするんだニラダ?こいつはあのおっさんの弟子だし、今更言い訳なんて聞くつもりじゃないだろうな?」

「ジャン、この人が本当にゲンさんの考えに同調しているならわざわざ俺達を探すとは思えない、話だけでも聞いてみた方がいいだろう」

「そうね、ここまで来て追い返すのも悪いし」

「俺達は追い返されたんだけどな」

「それはこの人のせいじゃないし、悪いと思ったからこそ私達を探していたんでしょう」

「うん、お師匠さんの冒険者嫌いを知っていてそれでも私達に話したい事があるなら聞いてあげた方がいいと思う」

「まったく揃いも揃ってお人好しだな、もう好きにしろ」


 呆れつつもジャンはニラダ達の考えに理解を示し、ジャンの返答を受けたニラダはカールに対して声をかける。


「すいません、お待たせして俺達あなたの家に行きます」

「いえ、それじゃあ案内します」


 カールが自分の家にニラダ達を案内する道中でミヨモがカールに尋ねる。


「あのカールさんはゲンさんのお弟子さんになってからもうどれくらい経つんですか?」

「かれこれ5年ですかね、まだ一人前とは認めてもらえてないんですが」

「5年、厳しいんですねゲンさん」

「ははは、そうですね……あ、家に着きましたよ」


 カールの家に到着したニラダ達、カールはニラダに何を伝えようとしているのか?

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