武器の理想
ニラダのゲンに対する依頼は断らられ、ニラダが気落ちする中、その原因を作った事に対してお互いに責任を押し付け合い口論をするティアとジャンにミヨモが強い言葉で制止し、2人はニラダに謝罪する。未だ気落ちしているニラダではあるがとりあえず2人の謝罪に対し返答をする。
「2人共、いいよ、結局あの人を説得できなかったのは俺なんだから」
「ニラダ……あなた……」
「……」
ニラダの発言に対してかける言葉がみつからないティアとジャンであったがミヨモがニラダに声をかける。
「ニラダ君、確かにあの人の言うように武器は人殺しの道具かもしれないし、冒険者はランクが上がればお金も入ってなんでも欲しいものを手に入れる。あの人がすごくそういうのを毛嫌いしているのは確かだと思う」
「……」
「でも私はあの人が言ってたドットさんの理想はすてきだと思うし、ニラダ君もその話って聞いた事があるのかな?」
「……昔さ、そんな事を話していた事もあったな。俺は魔法使いだから武器は必要ないとも言ってた」
ドットとの昔の話を思い出しながらミヨモに聞かせると同時に更に思い出した事も話した。
「そういえば冒険者になって初めて武器を作ってくれって言った時は少し呆れていたな」
「呆れてた?」
「まあ、3つも作ってくれっていったらさすがに無理もないけど、おじさん結構張り切っていたよな」
「武器が必要ないと思っていたニラダ君に武器を作れて自分の理想を託せるのが嬉しかったんじゃないかなドットさん」
「そう……なのかな……」
「そうだよ、アビジンの事は私も残念だと思うけど、あの人の言葉よりドットさんに託された武器への思いで戦うのがニラダ君らしいと思う」
アビジンの事は残念だけど、ドットの思いを背負って戦うのがニラダらしいとミヨモが言うと、ティアとジャンもニラダに言葉をかける。
「ミヨモの言う通りだと思うわ、冒険者やドットさんを毛嫌いするような人に武器を作ってもらう事はないと思う」
「そうそう、アビジンを扱える鍛冶師もまた探せばいいんだしよ、それまではクエストをやりながら情報を集めようぜ」
「みんな……そうだな、結局ゲンさんとドットおじさんでは武器や冒険者に対する気持ちが違うし、俺はこれからもやっぱりドットおじさんに俺やみんなの装備を作ってもらいたいな」
ニラダがそう言うと、どこからともなく声が聞こえる。
「あ、あそこにいたか……おーーい!」
「ん?あの人は?」
「あの人って確かゲンさんの工房にいた人よね?」
ニラダ達の前に現れたのはゲンの弟子であるカールであった。彼の目的とは?
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