ホープブレードの効果
魔王軍幹部テリソンの侵攻ルートの調査の為、ニラダ達『成長しあう者達』はハイバイの街から西にある街道を徒歩で移動しながら魔王軍らしき魔物を探していた。
「結構歩いた気がするけど、まだ魔王軍らしい魔物は姿が見えないね」
「ええ、ニラダの予想では自分達の存在を誇示する事も目的かもしれないけど、簡単には見当たらないわね」
「一応俺達が調査中にハイバイに襲撃が予想される場合は俺達を呼び戻しに伝令役が来ることにはなっているから、まだ襲撃もないのかもな」
「とりあえずは3日だ、3日経っても何の収穫もなければ兵団長殿の言うように戻ろう」
ミヨモ達が話している中、ニラダはホープブレードを見ており、ミヨモが声をかける。
「ニラダ君、さっきからホープブレードを見ているけど、どうしたの?」
「いや、このホープブレードはただのアビジンを使ったんじゃなくて、ギガングの鎧、つまり1度加工しているからなんていうか……」
「もしかして何か不思議な力でもあるの?」
「分からない、だけどただ切れ味が優れているだけの剣とは思えないんだ」
ホープブレードに何か特別なものを感じていたニラダはホープブレードを見つけていたが、これといった結論が出ず、ジャンが声をかける。
「ニラダ、俺の鑑定スキルで見てやろうか?」
「そうだ、ジャンには鑑定スキルがあったな、すぐに使えば良かったな」
「アビジンは特殊な金属だし、正確に鑑定できる自信はなかったんだが、まあ少しやってみるか」
そう言ってジャンはニラダからホープブレードを受け取り、鑑定スキルを発動すると結果を伝える。
「聞け、ニラダ、やっぱりホープブレードには特殊な力が宿っているぜ!」
「何だって?教えてくれ」
「持ち主の魔力並びに魔法効果を高めるんだ」
「つまり、魔法の回数が増えるだけじゃなくて、補助魔法の効果も強まるんだ」
「そういうこった」
「すごいねニラダ君、でもカールさんどうやってそんな効果を付与したんだろう」
ミヨモが喜びとともに鍛冶師であるカールがどうやって、その効果を付与したかが疑問だったが、それに対してティアが自分の考えを話す。
「カールさんがさすがに効果を付与できたとは思えないから、ギガングの鎧にすでに何かしらの力が付与されてそれが効果として表れたのかも」
「俺がホープブレードに感じていたのはそういうものだったかもしれないな」
「!みんな魔力の気配がする!」
ミヨモが魔力の気配を察し、その方向を目にすると魔物の集団が街道を移動していた。
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