調査に向かい
調査部隊を志願し、その希望が通った『成長しあう者達』の面々に兵団長であるガードが具体的な調査の方法を話していた。
「では我々の調査部隊は北の森を、そして君達は西の街道を頼むぞ」
「はい」
「魔物らしき姿を見つけたら見張りの班と報告の班に分かれて欲しい、そして3日経っても魔物らしき姿を見かけなければ1度ハイバイに戻り作戦を練り直す事になるがそれで良いか?」
「はい、あの兵団長殿、南と東の方はどうするんですか?」
「その方面は調査部隊をこれ以上派遣できない以上、守りを固めるつもりだ」
調査部隊の派遣ができないという言葉を聞いて、ミヨモはガードに疑問をぶつける。
「あの、兵団の人からは割けなくても、冒険者の他のパーティーにお願いはできないんですか?」
「さっきも言ったように我々には君達に対する指揮権はない、お願いという体裁をとる事も考えたが、防衛戦で士気が維持できるのならば無理強いはできんしな」
「そうですか……」
「あ、言っておくが君達が東や南まで調査する必要はない、いたずらに調査範囲を拡げても徒労に終わる可能性も高いからな」
ガードの話を聞き、ニラダがお礼の言葉と調査に向かう事を伝える。
「お気遣いありがとうございます、それじゃあ俺達行きますね」
「うむ、頼んだぞ」
そう言ってニラダ達は街の外に出て自分達が希望した西の街道へと向かう事をニラダが仲間達に告げる。
「それじゃあ西の街道に行くぞ」
ニラダがそう言うと、街道に向かって一同は歩き出し、森を抜けると整備された街道を目にするが街道の状況への違和感をミヨモが口にする。
「ねえみんな、街道って旅人や行商が移動に使っているはずなのに、誰も見ないね」
「緊急クエストが私達に知らされたように、魔物が侵攻している事がすでに市民や行商にも伝わっているからみんなどこかしらに避難しているのよ」
「とっとと、テリソンの野郎をぶっ倒してこの状況から解放してやらねえとな」
「だがジャン君、焦りは禁物だテリソンは君達が戦ったギガングや私が遭遇したズームに匹敵するはずだ、そう簡単にはいかないだろう」
「だが俺達は新たな装備を得て戦いを少しは優位に立たせるはずだし、ニラダに至っちゃああのアビジンを加工した剣を手に入れたんだぜ」
「アビジンか……鞘越しでも輝きが違うのは分かるし、おそらく私の持つ剣より上等ではあるな」
「ええ、この剣は魔王軍の幹部を一瞬とはいえ怯ませた証、そしていろんな人の思いがこもった剣なんです」
ニラダはホープブレードはギガングの鎧のアビジンから生成され、それを加工できなかったドットの無念、そして自分達の為に加工してくれたカールという鍛冶師にの希望がこもった剣だという事をカイルに強調する。
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