再合流

 魔物の一団をなんとか撒き、徒歩移動をしていたニラダとケンの元に2人を捜索する為に再度山に戻っていたジャンと合流し、3人は他の仲間とも合流すべく下山を目指すのであった。


「ところでジャン、他のみんなは無事なのか?」

「ああ、ミヨモもティアもちょっと魔力は消耗したようだが無事だし、ケンのパーティーや、他のパーティーも無傷で下山したぜ」

「そうか、それは良かった」

「お前らが魔物を引き付けてくれたからな、あんな奴ら本当なら全員でかかれば楽勝だが、万一食料を奪われたりなくしたりしたら大変だからな」


 ジャンはニラダ達が魔物を引き付けてくれたおかげで食料も無事守りきれたことを話すとニラダが返答をする。


「まあ俺達の一番の目的は食料を村に届けることだからな、それでもう他のみんなは先を急いでいるのか?」

「とりあえず休憩はとっているが少し急ごうぜ、待ちきれなくて移動を再開しているかもしれない」

「それならそれでいいけど、合流した方が俺達の危険も減るな」


 クエスト達成の為には当然先を急ぐのが正解ではあるが、自分達の安全を確保する為にニラダ達は少しペースを上げて下山を目指す。


 そして段々と山の出口に近づいており、ジャンが声をかける。


「もうすぐ山を抜けるぜ」

「ああ、みんながいてくれるといいんだけど」


 どうにかニラダ達は下山をする事に成功して周囲を見渡すと馬車の集団はまだその場にとどまっており、ニラダ達に気付いたミヨモが真っ先に声をかける。


「ニラダ君、お帰り無事だったんだ!」

「ミヨモ、ティア、2人も無事で良かったよ」

「何言ってるのよ、私達はあなた達が魔物を引き付けてくれたから無事だったのよ」

「そうだよ、ニラダ君とケンさんだけであれだけの魔物を引き付けるから心配でしょうがなかったよ」


 ニラダとケンだけで魔物の一団を引き付けた事が心配でしょうがないと気持ちを吐露したミヨモに対してニラダが口を開く。


「ああ、魔物との戦いはすぐに切り上げたんだけど、中々追いつけなくてね」

「そうだったんだ、でも無事で良かったよ」


 ミヨモがニラダの無事を心底安心している様子を見てジャンがケンに声をかける。


「お前も早く自分のパーティーと合流しろよ」

「そうだね、ありがとうジャン」


 ケンもジャンに促されて自分のパーティーと合流するとロナウドがニラダ達に声をかける。


「お前ら腹減ってんだろう、早く食って移動するぞ」


 ロナウドに促されてニラダ達も食事を摂ると一同は再出発をした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る