捕まえる方法
冒険者を襲う盗賊団を捕まえる為、ニラダ達は盗賊専門の盗賊であるジャンに依頼をし、街中の食事処で今後の動きに関する方針について話し合いをしていた。
「ジャンさんの協力を得られたのはいいけど、肝心の盗賊団の動きをどうやって掴むかね」
「ああ、今はほとんどの冒険者が緊急クエストを受けているから、クエスト直後に冒険者を襲うという手は使えないようだな」
「じゃあ、あきらめてどっかに逃げたのかな?」
ミヨモは冒険者のほとんどが盗賊団を捕まえようと躍起になっている空気を盗賊団も感じて既に離脱した可能性を口にするが、それに対しジャンが意見を述べる。
「それも半分はあり得るが、もう半分の可能性で襲う方法を変えるというのがあるな」
「どういうことだ?」
「奴らが自分達が狙われているのを逆手に取り、逆に冒険者を罠にはめようとする可能性もあるって事だ」
「奴らは魔石や他の持ち物を狙っているし、今は通常のクエストも受けていない冒険者が多いから魔石は期待できないだろう」
現在多くの冒険者は魔石を手に入れられる通常のクエストを受けていない為、盗賊団も魔石を手に入れられないと主張するが、ジャンはまた別の考えを話す。
「魔石を買い取ってくれる闇の業者の話なら俺も聞いた事はある、だがそいつらがそこと取引ができないんじゃ方針を変える事は何もおかしくない」
「なるほど、つまり冒険者の現金や持ち物を直接狙う方針に切り替えるかもしれないってわけだな」
「あくまでも可能性の問題だがな」
「奴らを捕まえるにはあえて奴らの罠にはまるのも手だという事だな、しかしどうすればいいんだ?」
ニラダはあえて盗賊団の罠にはまるのも手であると考えつくが具体的な手が思いつかず、悩むがジャンがニラダに声をかける。
「それについては考えがある。冒険者が襲われた場所をまず教えてくれるか?」
「それならこことここと……」
「ふんふん、ああ、なるほどな、それなら……」
ニラダが地図で冒険者が襲われた場所を示すと、ジャンはその場所を見て何か思いつき、その作戦をニラダ達に伝える。
そしてその夜、ある森の近くをニラダ、ミヨモ、ティアが歩いて移動していた。ジャンの姿は見当たらない。3人でしばらく歩いていると、ニラダが紐らしきものに足が引っ掛かり、そのまま木の上に吊り下げられてしまう。
「ニラダ君!」
「ニラダ!」
ニラダを心配するミヨモ達に対してどこからともなく矢が放たれ、ティアはミヨモの手を引きながらその矢から距離をとる。
「こんな簡単にひっかかるとはな、やっぱりまだヒヨッコ冒険者か」
「出たわね盗賊団」
遂に現れた盗賊団、ニラダ達は捕縛する事ができるのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます