包囲を突破せよ
部下の魔物の傷口から使用した武器がアビジン、そしてまだ新しい傷口である事にも気付き、近くに使用者がいる事を確信したテリソンは部下に捜索を命ずるが部下の1人より質問が投げかけられる。
「しかしテリソン様、ハイバイの街までの侵攻はいかがなさいますか?この道以外にも既に多くの者が向かっておりますが」
「アビジンを使用したという事は魔力耐性のある剣士、もしかしたらその者は勇者やもしれん!」
「ゆ、勇者!お言葉ですが、現在勇者と言われる存在は姿を見せていないとの事ですが」
「突如、力が覚醒する事もありうる、とにかくハイバイは他の者に任す、お前に部隊の一部を預けるからそのように申して来い!」
テリソンはアビジンで生成された武器の持ち主を勇者と考えており、脅威を摘まねばという思いで、自らはアビジンの武器を所持する者を捜索するとともに、部下に侵攻を任せるとした。
「はっ!」
こうしてテリソンの側近と言える魔物は部隊の一部を指揮してハイバイの街へと再度侵攻を開始する。
「よし、我々はアビジンを持つ者を探すぞ、まだそう遠くには移動していないはずだ!」
「はっ!」
テリソン達が自分達の捜索をしている事を聞いたニラダ達はテリソン達に気付かれないように少しづつ移動しており、周囲に魔物がいない事を確認して草むらに身をひそめながら会話をする。
「どうしようニラダ君?テリソンがアビジンを使った剣に気付いたよ」
「くそ!奴らを叩かずに逃げれば良かったか!こんな判断ミスをするなんて」
「ニラダ君、今その事を悔やんでも仕方ない、とにかく奴らに見つからずにハイバイの街まで戻らないと」
「はい、でも……」
「ああ、おそらく奴らはこの周囲に絞って捜索をしている、気付かれずに突破するのは難しいな」
テリソン率いる本隊は捜索範囲を絞っている為、ちょうどその捜索範囲内にいるニラダ達にとっては気付かれないようにハイバイの街に戻るのが難しくなっていた。
「それじゃあどうにかテリソンがあきらめるまで隠れませんか、私なら魔力感知ができますし、魔物が接近すれば……」
「だめだ!テリソンはホープブレードの使い手を勇者だと思っている、勇者という脅威を逃がすとは思えない」
「そうすると危険を承知で突破するしかないのか、俺やカイルさんはともかくミヨモがあいつらから逃げ切れるのか……」
「ニラダ君……」
「……2人共、聞いてくれ、少し考えがある」
カイルの策とは?そしてニラダ達はこの包囲から逃げられるのか?
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