魔王軍幹部テリソン

 街道で移動している魔物を発見したニラダ達は少しでも敵の戦力を削るべく不意打ちで攻撃を行い、敵を混乱させることに成功し、その様子を見たジャンはティアに声をかける。


「ティア、俺達はハイバイに戻って敵が侵攻している事を伝えるぞ!」

「ええ!もしかしたら別ルートから既にハイバイに迫っているかもしれないしね」


 魔物が攻撃を仕掛けたニラダ達に気を取られている隙にティアとジャンはハイバイに戻る為に動き出した。


 そして戦闘を続ける中1体のガーゴイルが声を発する。


「貴様ら、ここで我らを待ち伏せしていたといいうのかなんと小賢しいまねを」

「お前達がビスク領内への侵攻を企てている事は分かっている、そこで様々な防衛策はすでに講じているんだ」

「貴様らがその場しのぎの策を講じようとも我ら魔族に勝てると思うな」

「これを見てもそんな事が言えるのか」


 ニラダはそう言うと先程魔物を斬ったホープブレードを見せつけるように出すと剣の輝きに魔物達が驚きを隠せないでいた。


「その剣は……まさかアビジンを……」

「そうだ、そしてこのアビジンはお前達の上位者の1体であるギガングの鎧から手に入れたアビジンを使っている!」

「ま、まさかギガング様が……」


 ギガングの鎧から得たアビジンを使っている剣を見て魔物は戦意を喪失していき、更にカイルが言葉を発する。


「戦意を失ったものを攻撃するのは本意ではないが、ここでお前達を生かしたまま帰すとどこで何をするかは分からん、よって全員この場で死んでもらう」

「ひっひいいいい!」


 そう言ってカイルは戦意を喪失した魔物達を斬りつけていき、逃亡を図る者もいるが追撃していき、魔物の1部隊を殲滅する事に成功する。


「これで全員か」

「カイルさん、戻りましょうか、もしかしたら後詰が来るかもしれませんし」

「そうだな、来た道を戻るとして」

「!ニラダ君、カイルさん!さっきの魔物より強い魔力の魔物がこっちに近づいている!」

「何だって⁉」

「一度、草むらに隠れるぞ!」


 ミヨモが強力な魔物の魔力を感知し、ニラダ達は再度草むらに隠れて様子を見ていると声が聞こえてくる。


「テリソン様!あれをご覧ください!」

「むう、これは先発部隊か、なぜこのようなことに?」

「おそらく人間と遭遇して戦闘になったかと、我々の侵攻計画を阻止する為に」

「小賢しい真似を……ん?おい、その者の傷口を見せろ」

「はっ!」

「くっくくっく、人間のくせにアビジンを使った武器を所有しているな……」

「何ですと?」

「傷口にわずかに残った魔力からそう感じる、それにこの傷口はまだ新しいな!まずは近くを捜索せよ!」


 アビジンの存在に気付いた魔王軍幹部テリソン、ニラダ達はどうなってしまうのか?

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