謎の盗賊団

ニラダがドットに依頼していた新しい装備である胸当てを受け取るとドットの工房に1人の冒険者がやって来て、武器を盗まれたから作って欲しいと依頼をし、更にその盗まれた経緯を話し始める。


「俺達がいつものようにクエストを終えて、ギルドに戻ろうとしている時に、盗賊の集団に襲われたんだ」

「何だって⁉いや、ちょっと待て仮にも冒険者のお前達が何だって盗賊なんぞにおくれを取るんだ?」

「奴らは戦いなれていてよ、とても動きが素人のそれじゃなかった、それに俺達もクエストを終えて疲れ切っているところを襲われたんだ」

「盗まれたのは武器だけか?」


 男は冒険者であり、クエストを終えた時に盗賊の集団に襲われてそれが理由で武器を盗まれたと話す。


「いや、魔物の部位や魔石まで奪われてクエスト達成を証明する事もできなくなっちまった」

「そいつは気の毒だな」


 男の話をここまで黙って聞いていたニラダが男に対して声をかける。


「ちょっと待ってくれ、武器や魔物の部位はともかく、魔石の換金はギルドでないとできないはずだ」

「何が言いてえ?」

「多分、そいつらは裏稼業の奴ら、もしくはその手の輩から依頼を受けているのかもしれないな」

「じゃあ、そいつらは冒険者しか手に入れる事のできねえ魔石狙いだったてことか?」


 ニラダはその盗賊の集団は冒険者しか手に入れられない魔石を最初から狙っていたと考えており、男にその事を告げると、更にティアも自分の考えを話す。


「ところで、あなた達はその状況をギルドには報告したの?」

「ああ、もちろんだ」

「そうなるとギルドも多分ニラダと同じ考えに至って、何か対策を講じているかもしれないわね」


 ティアがそう言うと、ニラダはミヨモ達に対してある事を呼びかける。


「ミヨモ、ティア、とりあえずギルドまで行ってみよう、これは冒険者全体に関わる問題だしな」

「うん」

「ええ」

「とりあえず、俺達も冒険者としてその盗賊団を捕まえるのに力を尽くすよ、これ以上の被害を生み出すわけにはいかないからな」


 ニラダがミヨモとティアに冒険者ギルドに行き、盗賊団に関する情報を得ようと呼びかけるとドットと男の冒険者もニラダに声をかける。


「気を付けろよニラダ、どうもただの盗賊団じゃなさそうだしよ」

「お前もへまをして武器を奪われるんじゃねえぞ」

「まずは情報を収集して対策を練るよ。大丈夫だ俺は武器が3つある」


 冒険者を襲う謎の盗賊団、その盗賊団を捕まえるべく、ニラダ達は冒険者ギルドへと向かう。

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