ソロ活動
冒険者パーティー『明日へ向かって』の代表者サイタに対して加入交渉をするニラダであったが、補助魔法しか使えない事を理由に断られてしまい、なんとか食い下がろうとするが、更にサイタに言い放たれる。
「まあそういう事だから他をあたってくれ、あんたを必要とするパーティーもあるだろうぜ、多分な」
そう言い残し、サイタはニラダの目の前から姿を消した。これは加入交渉失敗を意味する。
補助魔法だけでは役に立てず、かえってパーティーメンバーの負担になるのかとニラダは考えるが、ニラダも部屋を出て受付嬢に加入できなかったことを報告し、更に掲示板からパーティーメンバー募集の貼り紙を探す。
見つけては加入交渉をするが、やはり補助魔法のみしか使用できないニラダはいくつものパーティーから加入を断られる。
最初の『明日へ向かって』の代表者サイタとの加入交渉の日から7日ほど経った日にニラダは新たな決意をしてそれを受付嬢に告げたのだ。
「すいません、ソロ活動をする事にしたのでクエストを紹介してください」
「ソロ活動ですか?ソロ活動ですと大きなクエストは紹介できませんが?」
「構いません!このまま補助魔法しか使えないというだけでパーティーか加入を断られるだけなので、なにか1つでも実績をあげなければ無収入なので」
「ですが、ニラダさんは魔法使いで後衛ジョブ、せめて前衛の方と組むのをお勧めしますが」
基本的に後衛で戦う魔法使いというジョブのニラダは前衛担当のジョブの冒険者と組むことを受付嬢は勧めるが、それに対してニラダはドヤ顔で自分のもう1つの特技を伝える。
「心配いりません、結構俺体術の訓練もしていたんで、自分に強化魔法をかければ低級モンスターくらいなら倒せると思うんで」
「そ、そうですか?それじゃあ今のニラダさんのランクかつソロで受けられるクエストですがこの中からお選びください」
受付嬢がそう言いながらニラダが受けられるクエストの内容が書かれた用紙を提示し、少し考えるとニラダは返答をする。
「じゃあこのDランククエストの『ミニゴブリン退治』をお受けします」
『Dランククエスト「ミニゴブリン退治」:森に生息するミニゴブリンを退治し、その暁としてゴブリンの角とゴブリンの魔石を持ち帰るのが条件。何体退治しても良いがソロ活動の場合最低でも3体倒さなければ無報酬とする。
報酬:魔石の換金、もしくは魔石と角で製造したアイテムを付与する』
「以上のようになりますのであらかじめご了承ください」
ついにニラダにとっての冒険者としての初クエストが始まろうとしている。
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