加入交渉
ギルドでパーティーのメンバー募集をしている貼り紙を見つけたニラダは加入希望の旨を伝えると交渉の場と日程を調整してもらい、改めて『明日へ向かって』というパーティーの代表が希望する交渉日時に改めてギルドを訪れる。
ギルドを訪れたニラダはまず受付に行き、『明日へ向かって』の代表者との交渉の時間と場所を尋ねる。
「すいません、『明日へ向かって』の代表者の方との交渉は今日ですよね、いつどこでできますか?」
「少々お待ちください」
そう言って受付嬢はリストを確認し、ニラダに場所と時間を伝える。
「お昼ごろに、あちらの部屋でまずはニラダさんの事を聞きたいそうなので、またお昼ごろにいらしてください」
「はい、分かりました」
そして昼ごろ、指定された部屋に受付嬢の案内で入室するがまだパーティーの代表者は来ていないようだ。
そしてしばらくすると部屋の扉が開き、筋骨隆々の大剣を背中に装備した男がニラダに声をかける。
「悪いな、遅くなっちまった。クエストに思いのほか戸惑ってな」
「いえ、あのあなたが『明日へ向かって』の代表者ですか?」
「おお、俺はサイタっていう大剣使いで『明日へ向かって』の代表者だ」
「俺は最近ギルドに登録したニラダです、魔法使いが必要という事なのでパーティーメンバー募集にの貼り紙を見て加入交渉に来ました」
ニラダの前に現れた大男はサイタという名で『明日へ向かって』のパーティー代表者を名乗る。そのサイタが早速、ニラダについて尋ねる。
「一応お前さんの資料は受け取っているが補助魔法が得意と書いてあるけど具体的にどんな魔法が得意か聞かせてくれるか?」
「はい、腕力や武器強化、防具強化、速度強化、他には……」
「それはすごいが攻撃魔法は使えねえのか?」
「攻撃魔法ですか?いえ使えませんが」
サイタの質問に正直に答えるが、次の瞬間サイタは落胆しながら言葉を発する。
「確かに魔法使いは募集したけどよ、だけどな攻撃魔法の1つも使えないのはどうかと思うぜ」
「え、でも補助魔法だって大事なはずです。自分はあらゆる能力の向上ができますし入れて損はないかと」
「じゃあ物理攻撃の効かないモンスター討伐はあきらめろって事か?」
「それなら攻撃魔法を得意人をもう1人……」
ニラダは思わずパーティーメンバーをもう1人の加入を提案するが、それに対してサイタは声をあげる。
「あのな!うちのパーティーは前衛は俺を入れて2人。既に後衛のヒーラーが1人いて更にお前を含め2人を入れて後衛3人を守りながら戦うのは難しいんだぞ!」
早くも難航する加入交渉、ニラダに打つ手は?
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