加入希望

デデンの街にある冒険者ギルドに登録し、晴れて冒険者としてデビューしたニラダは受付嬢の示す掲示板まで移動し、パーティーメンバー募集の貼り紙を探す。


 D級冒険者としてスタートしたニラダは加入できるパーティーのランクにも一応制限がある。


 受付嬢からも個人ランクとは別にパーティー毎にもランクがある説明を受けており、それを心の中で反復しながら募集の貼り紙を探しているのである。


 D級冒険者のニラダが加入できるのはC級パーティーまでであり、それ以上のランクへのパーティー加入は望めないのだ。


 パーティーランクを上げる条件も個人のランクを上げる条件とほぼ一緒であるが、あくまでパーティーとしての総合活躍度で上がっていく為、個人ランクを上げられなければパーティーの脱退もあり得るのだ。


 とはいえ、もちろん魔物駆除や賞金首の捕獲ばかりが必ずしも評価を上げる項目ではなく、クエストによっては査定方法も変わるので必ずしも戦闘力のみがランク上げに役立つとは限らないのだ。


 ましてやニラダは魔法使いでしかも補助魔法専門だ。それならば尚更、裏方に徹したり、頭を使ったやり方がパーティーへの貢献と自分のランク上げには最適であると考える。


 そう考えているとようやくパーティー募集の貼り紙を見つけしかも、魔法使いを募集していたのでこれはニラダにとって早速加入のチャンスと来た。


 募集の貼り紙を見つけたニラダは早速、受付に行き、見つけたパーティーの名前を教えて受付嬢がリストを確認する。


「ええっと、『明日へ向かって』への加入をご希望ですね。承知いたしました。加入交渉の場と日程の調整をするのでニラダさんのご都合の良い日時を教えていただけますか?」

「俺はいつでも大丈夫です」

「それではパーティーの代表の方にご都合の良い日時を聞いておきますので、決まり次第ニラダさんにもお知らせしますね」


 受付嬢の発言にニラダは無言でうなづき、そのままギルドをあとにする。


 冒険者としてどんなパーティーで活動するかにニラダの胸は躍っており、パーティーの加入交渉を楽しみにしていた。


 とりあえずその日は自分の住居として借りた部屋で一夜を明かし、翌日ギルドに行くと早速一報が入った。


「ニラダさん、とりあえず『明日へ向かって』の代表の方が交渉の場を設けて欲しいとの事なので、明日またギルドへお越しください」


 冒険者パーティー『明日へ向かって』の代表は翌日の交渉を希望のようであり、当然ニラダは応じる返事を受付嬢にした。


 果たしてニラダを待っているのは?

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