補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

冒険者デビュー

冒険者デビュー

 ここはデデンの街といい、冒険者達が集う冒険者ギルドがある街だ。


 腕に自信のある者達が集まり、冒険者としてギルドに登録し、パーティーを組みながら様々なクエストを引き受けたり、驚異的なモンスターの駆除をしながら報酬を得ていくのだ。


 そして本日もまた1人の冒険者がここに誕生しようとしている。


「こんにちは、冒険者登録をしたいのですが」

「ではこちらにお名前と出身の街、それからジョブと特技のご記入をお願いします」


 そうギルドの受付嬢に促された若い男は書類に必要項目を書いて受付嬢に渡す。


「はい、お名前はニラダ様で、出身はこのデデンの街でジョブは魔法使い、特技は補助魔法ですね。では冒険者として登録させていただきます」


 彼の名はニラダと言い、どうやら補助魔法を得意とする魔法使いのようだ。


 最近までニラダは独学で魔法の修行をしていたよいうだが、ある程度自分の魔法が形になったと自覚し、冒険者となり自分の腕で稼ぐ事を目指す事としたのだそうだ。


「それでは冒険者としての活動についてご説明させていただきます、ニラダ様は本日登録されたのでD級冒険者からのスタートになります」

「はい」

「クラスを上げるには依頼クエストをどれだけこなしたかや、驚異的なモンスターやお尋ね者の駆除や捕縛の回数によって決まります」


その後、ニラダは他にも受付嬢からクラスが上がる事でできるクエストも増える事やクラスが上がると報酬額も増えるといった話を聞いていた。


「ニラダ様、このままソロで活動されるのも良いのですがパーティーを組むことをお勧めします」

「パーティー、どうやって組むんですか?」

「方法は2つあります、1つはメンバー募集しているパーティーに加入するのと、もう1つはギルドの方でマッチングする方法です」

「具体的にどうするんですか?」


 ニラダが具体的な方法を尋ねると受付嬢はその方法を説明する。


「1つ目の方法ですが、あそこに掲示板がありますが、そこにはパーティーメンバーを募集の貼り紙も貼ってあるので、受付に申し出てくれれば加入交渉の場を設けます」

「はい」

「もう1つの方法ですが、ギルドに登録している情報を元にソロ活動をしている方同士をマッチングします。例えばニラダ様は補助魔法がお得意なので前衛が得意方とのマッチングになると思いますよ。もちろん活動外で会ってパーティーを組みたいという方がいらっしゃいましたらパーティーを組む手続きはいたします」


 慣れない事が多くあるが、ともあれニラダの冒険者としての活動が始まろうとしていた。

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