全てを叩き込め!

 アンデット系であるテリソンに決定的なダメージを与える方法を模索し始める冒険者達であったが、そこでニラダが大きく声を上げる。


「今、聖職者のみんなを呼ぶと住民が危険にさらされる!とりあえずここは俺達でどうにかしないと!」

「なんか策があるのか?」

「ああ、とにかく叩き込むんだ!」

「へ?それって策か?」


 ニラダのとにかく叩き込むという言葉を聞いて、冒険者達は戸惑うが、その言葉を聞き、ミヨモやティア達が笑いながら納得した言葉を放つ。


「ははは、まあ、今はそれしかないよね」

「ふふふ、確かにそうね」

「ニラダ!最高の策だぜ!」


 ミヨモ達が納得した言葉を出し、ますます冒険者達は戸惑うが、ニラダは具体的な策を話し始める。


「俺の持つホープブレードはアビジンを使っている。これを補助魔法で強化すれば……おそらくだが勇者の剣並みかそれ以上の切れ味を生むはずだ」

「勇者の剣!まじかよ!」

「だがテリソンを絶対に逃がさない至近距離まで迫ったうえで動きを封じなければ難しい、どうにかして奴の動きを止めてくれ!」

「簡単に言うが、どうすれば?」


 ニラダの提案に疑問を投げかけるが意を汲んだ仲間達がそれぞれ冒険者達に呼びかける。


「魔法が使える人は一斉にテリソンに魔法を放ってください!魔力が尽きたら回復アイテムを使うか、それがなければテリソンから逃げてください!」

「テリソンに向かえるように前衛担当はニラダを守りながら前進してくれ、ニラダが補助魔法で防御力を高めてくれっから、いくらテリソンでも簡単にやられはしねえ!」

「傷ついた人が出たら自力で私の所に戻るか、それが無理そうなら運んでください、治癒魔法を使います!」

「だけどこの作戦に納得できないなら参加は無理強いできない!他に案があれば……」

「何言ってんだ、お前のアビジンの剣じゃねえとまともにダメージが通らねんだろう」

「そうそう、他に作戦なんて考えている時間はねえしな」

「みんな、頼むぞ!」

「言われるまでもねえ!」


 そう冒険者が言い放つとそれぞれが配置につき、まずミヨモが魔法使い達に呼びかける。


「それじゃあ皆さんお願いします!」

「ええ、任せなさい」

「我が魔法をもって魔物など蹴散らしてくれよう」


 そしてミヨモをはじめ、多くの魔法使い達が魔法を放つがテリソンは魔力障壁を張り、魔法を防ぐ。


「愚かな、この程度の魔法で我を倒すなど……」


 魔力障壁で防ぐ事に成功し、一旦障壁を解除するがその際に矢のような魔法が飛び、思わず手で受け止めその威力にテリソンは狼狽する。


「ぬう!バカな!」

「油断したね、私達の力はこんなもんじゃないよ!」


 隙を突いたミヨモの魔法が一瞬テリソンをたじろがせる!さあ反撃の時だ。

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