突入

 魔王軍幹部ズームが籠る魔王城に突入するべくカイルとララが他の冒険者と共に魔物を引き付け、彼らの治療要因としてメアリアが残り、ガンディーとニラダ達が共にズームを目指していく方針に決まり、早速決行する。


「じゃあララ君、行くよ!」

「はい!」

「お気を付けてカイル様、ララ様」

「メアリア殿も治療お願いします」


 早速カイルとララ、そして冒険者は魔王城に突入し、侵入者を察知した魔物達が迎撃に向かう。


「侵入者か!」

「おのれ人間共、どうやって結界を破壊したかは知らぬが、ここは通さないぞ!」


 早速魔物達と冒険者は交戦するが、その強さに冒険者の1人が驚愕する。


「くそ!こいつら強いぞ!」

「魔王城の守備を任される魔物だ、並の魔物では務まるまい、だが我々は何としても勝たねばならぬ」


 カイル達が正面突入し、魔物達を引き付けている間にニラダ達は隙を突く機会をうかがっている中、ガンディーが声をかける。


「あそこのテラスから侵入できるぞ」

「でも高いよ、どうやって行くの?」

「まあ任せろ」


 そう言って、ガンディーは突如魔法の呪文を詠唱する。


「空間を司りし者よ、我が声を聞き、我が望みを叶え給へ、理を解き、我と我の望みし者を浮遊し給へ」


 ガンディーが呪文詠唱を終えるとガンディーとニラダ達は飛び上がり、テラスまで無事到達する。


「あ、俺達魔法で飛んだのか?」

「すごい、あそこまで一気に飛んだはずなのに、全然気持ち悪くない」

「ガンディーさん、これが世界最強の魔法使いの魔法なのね」

「とりあえず、これでズームの所まで行けるな」


 ガンディーとニラダ達がテラスに到着し、部屋に入るとその部屋は禍々しさを放っており、戦慄する。


「これが魔王の城なの」

「なんて禍々しい、魔王が不在なのにこの空気を発するなんて」

「この部屋なんてまだかわいいもんだ!儀式を行う部屋はもっと禍々しいはずだ」

「師匠、奴らは人間の魂を集めているって言っていたけど、もうどれくらい集まったか分かる?」


 ニラダに問いかけられるとガンディーはあっけらかんと返答をする。


「さあな、俺にも分からねえ」

「ええ、なんでそんなに軽いの?」

「だが、まだ魔王復活に十分じゃねえ、それだけは確かだ、今ズームを倒しさえすれば奴らに魔王復活の手段はねえ」

「そうだね、またズームのような魔物が生まれないとは限らないが、とりあえず今の魔王復活は防げる」

「そういうこった、嬢ちゃん、魔力探知を頼む。お前の方がその感知力は高いはずだ」

「はい」


 ミヨモの魔力探知、果たしてズームはどこに?

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