尖ったパーティー
ニラダのホープブレードと補助魔法で結界を破壊し、それによって生じた瘴気をも消滅させいよいよ冒険者達は魔王城への突入を敢行しようとしていた。
「あとは俺達全員でここにいる闇魔導士ズームを倒せば魔王は復活できねえ」
「そうなりゃあ、他の幹部は戦意喪失だし、防衛している奴らは戦意高揚し、一気に大逆転だな」
「待て!ズームは強敵だし、強力な魔法を使うぞ!まだまだ油断はできねえ!」
冒険者がズームを倒せば魔王復活の阻止になると話す一方ガンディーはズームも強敵である事を強調しカイルも同調する。
「その通りだテリソン一体を倒すのにもかなりの労力を割いたこの私が死を偽装して油断を誘うまでしてな」
「そういうこった!他の幹部はいねえが、奴の護衛に魔物はいるだろうし、それを突破しての奴だしな」
「そうだなテリソンを倒すときは防衛の兵団もいたけど、ここにいるのは冒険者だけで、数はテリソンを倒した時より少ないからな」
「ニラダも分かっているな、さすがだ、だから今回は一気にズームを狙う作戦で行く」
ガンディーは一気にズームを倒す作戦で行くと宣言し、その詳細を話す。
「まずは護衛の魔物をできる限り引き付ける。その役割をカイル、ララ、それからお前達でやってくれ」
「お任せください」
「はい」
「え?お前達って俺達か?」
冒険者の1人が自分達かどうか確認するとそうである事をガンディーは告げる。
「当たり前だろう、お前達以外誰がいるんだ?」
「もちろん引き付ける奴は必要だろうけど、俺達のパーティーからもズーム討伐担当の奴とかは出せないのか?」
「さっきも言ったが、ズームは強敵だ、数を増やせばいいものじゃないからなだが安心しろお前らができる限り引き付けられるようにメアリアも残すし、ズームの賞金も山分けにすっからよ」
「ちょっと待て!さりげなくあんたのパーティーのヒーラーも残しているが、まさか1人でズームと戦う気か?」
「ニラダ、お前達は俺と一緒にズームを目指すぞ」
「え⁉俺達が?」
「ああ、お前達はもはや俺達と遜色ない強さだ」
「そ、そんな、まだ俺達はCランクなのに」
「Cランクで尖ったパーティーでありながらこの俺に強さを認められたんだ少しは光栄に思えよ」
尖ったパーティーという言葉を聞いてミヨモがティアに尋ねる。
「ティアさん、私達尖っているのかな?」
「うーん、それは私達がたった1つの取り柄でここまで頑張ったからかな」
「それも突き詰めりゃあSランクに匹敵する実力になるって事か、これが冒険者の醍醐味なんだな」
「ははは、素直に喜ぶかは微妙だけど、分かったズームは俺達で討つ!」
尖ったパーティーと評される一方、その強さはSランクにも匹敵する実力まで伸びていたニラダ達であった。
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