赤い木々
龍の葉を採取するクエスト達成の為にクロスマウンテンに入山したニラダ達『成長しあう者達』は早速山の赤い木々の葉の採取に取り掛かった。
「とりあえず、まずはこの木から調べてみよう」
「それにしても本当に真っ赤な木だね、こんな木って見た事ないよ」
「俺も始めてだよ、龍の血で色が付いたというよりは木そのものに大きな変化をもたらしてそれが葉にも影響を与えたという事だな」
「すごいね龍の血って」
ミヨモが木々の色の変色に驚いて、ニラダがそれについて話している中、ジャンは早速採取した葉をティアに渡していた。
「ティア、この葉を調べてくれるか」
「任せて、……これは違うわね」
「違うのか、それにしてもなんで龍の血を浴びた木から治療効果のある葉とない葉が混ざって生えてくるんだ?」
「それは分からないけど、でも確かな事は龍の血を浴びた木は性質そのものが変化したという事ね」
その後も赤い木々から葉を採取してティアの調合スキルで鑑定するがまだ1枚も龍の葉は見つからないのであった。
「とりあえずこの周辺の赤い木々はあらかた調べたけど、結局龍の葉は見つけられなかったな」
「なあニラダ、もしかしたらもう龍の葉は他の冒険者に狩りつくされたんじゃないのか?」
「さすがに自然に生えてくるものだし、狩りつくされるという事はないはずだ」
「それなら俺達は運悪く、龍の葉が生えてない時期にクエストを受けてしまったんだ、このままじゃあ報酬がパーだぜ」
ジャンはもしかしたらもう龍の葉は狩りつくされて、生えていない時期に運悪くクエストを受けてしまったと嘆くが、ニラダが思い出すかのように言葉を発する。
「ジャン、ジャンの
「それなんだけどよ、あのスキルは生物には反応しないから無理なんだ」
「そうか植物も生物か木から引き離した時点ではただの死体と変わらないからアイテムとしても機能しているとみなされないのか」
生物には反応しないジャンの
「ねえニラダ君、葉っぱが死体って言われるとちょっと気持ち悪いよ」
「え?」
「事実としてそうだとは思うけど、私も表現としてはちょっと受け入れがたいわね」
「え、ええ?俺なんかまずいこと言った?」
「なんていうかそう言われると触るのにすらちょっと躊躇しちゃうし言って欲しくなかったな」
木から切り離した葉は死体と変わらない、この発言にミヨモとティアは若干引き気味でニラダは少し戸惑っていた。
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