怒りの頂点

かつてドットと共に父親のゴーンの元で修行していたゲンはとあるAランク冒険者よりオリハルコンとアビジンを合わせた勇者の剣を作成するが、事もあろうにその冒険者は剣を売り払っており、その事を問い詰めたゲンは冒険者より使いづらい剣を押し付けられたと主張されるが、納得のいかないゲンは反論をする。


「待てよ、何を言ってやがんだ?お前はその剣で強力な魔物を狩っていたし、それでクエストもこなしていたんだろう?」

「ああ、最初のうちは助けになっていたよ、だがなある日突然剣を重く感じてうちのヒーラーに腕を治してもらったがまたすぐに剣が重くなり、しまいにゃ上がらなくなっちまった。他の剣もな」

「な?何だって⁉」


 ゲンが冒険者が段々と剣の重さによる負荷を感じ、腕を治癒するものの他の剣も上がらなくなっていたのだ。


「そのヒーラーによればアビジンの魔力が俺の腕を蝕んでいたらしい、まったくとんだ代物だったな」

「待て!そうするとお前自身に魔力耐性や、別の装備での対策を取らなかったて事か?確かにアビジンは普通の人間には有害だがちょっとした対策で十分防げるはずだ」

「俺達はだれもそんな事を知らなかったし、そもそも加工していたはずのあんたらにも何もなかったから問題ないと判断したんだよ!」

「俺達はそりゃあアビジンを加工する際に十分な対策をしているからだ、加工時と武器としての使用時が最も魔力を分泌するからな」


 アビジンとは魔力を有している分、武器としての使用時、そして加工時に多くの魔力を分泌し、肉体等になにかしらの害を与えるが、分泌量自体は少量である為、魔力耐性を有しているか魔力耐性の装備、加工時でもそれらの対策を十分にしていれば害なく乗り越えられるのだが冒険者は対策不十分で魔力の影響を受けてしまったのだ。


「そもそもなああんたがその事を事前に教えてくれたらこんな事にはならなかったんだ、おかげでパーティーは解散!Aランクの俺は簡単なクエストを受けられないでこんなざまだ」

「……そもそも勇者の剣、その力はオリハルコンの強靭的な硬さとアビジンの魔力が切れ味、そして邪を滅する聖なる力を発現していたんだ、てめえの身の丈に合わず十分に使いこなせなかったのを俺のせいにするんじゃねえよ」

「それでも冒険者に合わせて武器を作んのがあんたの仕事だろう!てめえの腕のなさを冒険者に押し付けてんじゃねえよ」


 冒険者の暴言についに堪忍袋の緒が切れたゲンは冒険者を殴りつける!


「てめえ!何しやがるんだ!」

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