次の交渉
ニラダとの交渉の末、ティアの聖職者としての先輩であるリンダのパーティーはニラダ達が受けている『食糧配給』のクエストを受ける事となり、早速クエストを受ける為にギルドへと向かっていく。
リンダ達が酒場からいなくなるとティアがニラダに対しお礼の言葉を述べる。
「ありがとう、ニラダ。本当ならリンダさんの後輩である私がちゃんと交渉して協力してもらわないといけなかったのに」
「いや、あの人だけじゃなくてパーティーメンバーの事もあっただろうし、こっちもなにか示せるものがあったほうがいいと思ってね、何よりティアがいなければあの人達に話を持ち掛ける事ができなかった」
「ニラダ……」
ティアがニラダの言葉に感激しているとジャンが声をかける。
「さあ、今度は俺の番だ、早く交渉に行こうぜ」
「ああ、と言いたいところだけど、ジャン、今その人のいる場所を知っているのか?」
「多分、そいつらもここに飲みに来るだろうし、外で待つか」
ジャンの提案でジャンが以前意気投合した冒険者も酒場に来る可能性が高いという事で、一旦外に出て待つ事とした。
待っている間にミヨモがジャンに声をかけている。
「ところでジャンさん、その人ってどんな人なの?」
「そいつの名前はケンって言ってなジョブは武道家だ」
「へえ、接近戦が得意人なんだ」
「まあ、そうなんだけど、けっこうビビりで距離をとって戦いたがるんだ」
ジャンの友人である冒険者は武道家ではあるが距離をとりながら戦いたがるようであり、その事にミヨモが疑問の言葉を口にする。
「ええ、武道家なのにどうやって距離をとって戦うの?」
「気功スキルか」
「その通り、さすがだなニラダ」
「ねえ、その気功スキルって何?」
ミヨモとジャンの話からその武道家は気功スキルを駆使しながら戦っている事を口にしたニラダに対しミヨモは気功スキルについて質問をする。
「気功スキルっていうのは身体からエネルギー体を放ち、それによって敵を攻撃したり、使い方によっては仲間を癒したりもするんだ」
「ふうん、魔法のようなものなんだ」
「魔法と違って魔力ではなく、自分の体力を消費しながら使うんだ、だけど鍛える事で自分の体力だけじゃなく外の自然のエネルギーを利用する事も可能になるらしい」
「すごい、でもそんな技があるなら確かに接近戦はしなくてもいいかも」
「いや、武道家っていうのはその技と拳法を合わせながら戦うのに、そいつは気功スキルだけで戦うから半端もんだって言われているな」
冒険者にも様々なタイプがいる事を肌で感じるミヨモであった。
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