ユニークスキル

ミニゴブリンの森で速度を上げる『クイック』そして闘気を纏わせる『フォースアップ』といった補助魔法を駆使してミニゴブリン数体の討伐に成功したニラダはミニゴブリン達を倒した事によってその場に落ちた魔石と角を回収する為に『プロテクト』の魔法で防御の為の闘気を纏わせ、回収に向かう。


 生き残っているミニゴブリンから攻撃を受けるがものともせずにニラダは魔石と角を回収し、マジックボックスに収納して再度クイックの魔法を使用し、その場をあとにする。


「魔石が5個、角が5本か、とりあえずクエストの最低基準はクリア……」


 クエストの最低基準はクリアしたと安堵するニラダであったが、改めて討伐した数を口にしてある事実に気付く。


 魔石と角は合わせて1体のミニゴブリンから回収した物であるから、ニラダは自分1人で5体ものミニゴブリンを倒した事実に気付いて驚愕している。


 いかに補助魔法で自身を強化したとはいえ、最低限冒険者としてやっていけるくらいにしか肉体の鍛錬には成功していない。


 もちろん補助魔法そのものには自信があったが、それはあくまで前衛専門の冒険者をより前線で安全に戦えるように補助をするのがメインで、自分のような後衛が前衛並みに戦える事は想定していない。


 自分の補助魔法の効力の強さか、それとも自分に何かしらの固有スキル、ユニークスキルがないかを一度確かめる必要があると感じて報酬の受け取りと共に自分のこれらを調べてもらおうとニラダは考えていた。


 そしてニラダは冒険者ギルドに戻って受付に行き、マジックボックスから回収した魔石とミニゴブリンの角を取り出し、受付嬢からアイテムをどのようにするかを確認される。


「アイテムはどのようになさいますか?」

「魔石はすべて換金で、角は……とりあえず2個換金で」


 魔石はほとんどの場合は換金し冒険者にとってはいわば主な収入源だが、魔物の部位はそれを元に武器、防具、アクセサリー等の素材となるのでケースによって判断を変えるのだ。街に鍛冶屋もあるのでとりあえずニラダは角を確保する事としたのだ。


「あ、そうだ。ちょっと自分の補助魔法の効力とユニークスキルを確かめたいんですけどいいですか?」

「ではスキル鑑定室にご案内しますのでお待ちいただけますか?」


 受付嬢の言うスキル鑑定室とは、冒険者ギルドには複数名スキル鑑定士が存在し、大まかではあるが冒険者の能力を冒険者ランクとは別にランクで示してくれるのだ。これにより今の自分の強さが分かり、更にはユニークスキルという固有スキルも確かめられるのだ。


 ニラダ自身のユニークスキルとは果たして?

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