ギリギリの策

 魔の国に到着したニラダ達は早速魔王城に入る為に結界の破壊を試みる。ニラダがホープブレードを使用し、結界を切り裂く事に成功するとそのまま自身、そして剣にマジックバリアの補助魔法をかける事で結界を斬った事による瘴気を抑え込もうとする。


「う、うううう」


 ニラダは自分の身体と剣を使ってどうにか瘴気を後ろいる仲間にいかせまいと奮闘するがさすがに苦戦しているようだ。


「ニラダ君、大丈夫かな」

「まだよ、まだ瘴気を抑えそこねていないし、ニラダも踏ん張っているから下手に動いちゃダメよ」


 ニラダは剣と自分の身体で必死に抑え込み、瘴気を後ろにそらさないようしているがさすがに辛くなってきている、その時ニラダは再度補助魔法を唱える。


「フォースアップ!」


 ニラダがフォースアップの魔法を唱えたのが状況に合わないと感じたミヨモ達が思わず戸惑いの声を上げる。


「え?フォースアップ!」

「どういう事?ここでフォースアップのような物理威力をあげる魔法だなんて」

「あいつまさか瘴気に飲まれておかしくなったのか?」

「いや!まさか……」


 ミヨモ達がニラダが物理威力を上げるフォースアップの魔法を唱えた事で戸惑いを隠せなかったが、ガンディーはニラダの狙いに気付いたようだ。


 フォースアップでホープブレードを強化したニラダは今度は剣を振い、なんと結界破壊で発生していた瘴気を消滅させたのだ。


「はあ……はあ、や、やったぞーーーー!」


 瘴気を消滅させて喜びを声にすると仲間が遠くから声をかける。


「二、ニラダ君すごいよ!結界だけでなく、瘴気まで消滅させるなんて」

「ねえ、一体何をしたの⁉勇者でもないと消滅させるのは難しい瘴気を」

「っていうか、もうそっちに行っても大丈夫なのか?」


 ミヨモ達の声を聞き、ニラダはまずジャンの疑問に答えた。


「とりあえずはこっちに来て大丈夫だよ」


 ニラダの発言を聞いて、仲間達はニラダの元に駆け寄り、続いてガンディー達や他の冒険者達も移動を開始した。


「ねえ、ニラダ君、結界だけじゃなくて瘴気も消滅させたのはフォースアップが関係しているの?」

「ああ、それはね……」

「ホープブレードが結界を斬る事のできる魔力をより引き出したそうだな?」

「さすが師匠だ、よく分かったね」

「俺は世界最強の魔法使いだぞ、その程度見極められねえわけねえだろう、もっとも事前にこの作戦は浮かばなかったがな」

「だけどいくら威力を高めたからって、剣では瘴気は斬れなかったはず、どうなっているの?

「それはね……」


 ニラダがギリギリの状況で浮かんだ策とは?

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