調査に乗じ
ハイバイの街の防衛を指揮している領主軍兵団長ガードより、調査部隊と防衛部隊に分ける事を提案されニラダ達冒険者はそれぞれのパーティーで話し合いどっちの部隊を希望するかを決めようとしていた。
一時加入のカイルも含め5人いる『成長しあう者達』はティアとカイルは街の防衛を主張し、ミヨモとジャンは調査を主張して、ニラダに次の判断が委ねられようとしていた。
「それぞれ2人づつで俺の意見でこのパーティーでの希望部隊が決まるわけか」
「ニラダ、あなたの意見を聞いたうえでちゃんと話し合うんだし、別に多数決で決めなくてもいいんじゃ」
「いや、今までのクエストなら納得いくまで話し合えたけど、今回は時間がないし、多数決で俺達の方針を決めてその分の時間を他パーティーとの話し合いにしないと」
「しかし、ニラダ君、結果として君はかなりの熟考を強いられることになるな」
カイルの発言を受け、ニラダはとりあえずの自分達の方針をしっかりと決める為に慎重に考えざるを得ない事になるかに思えたがニラダはすでに自分の考えを決めていた。
「俺は調査をすべきだと思っている、理由としては調査をただの調査では終わらしたくないというか……」
「なんか随分歯切れが悪いな、調査をただの調査で終わらしたくないだあ?」
「かなりの独断専行になるかもしれないが、調査の段階で敵の戦力を叩けないかと思っている」
「つまり、ニラダ君は調査しながら戦えないかって事を言いたいの?」
ミヨモより調査しながらの戦闘で敵の戦力を叩けないかと言われ、更にニラダは詳しい理由を話す。
「あの人、ガード兵団長は多分調査によって戦力を把握し防衛体制をどう整えるかを考えたいんだと思う」
「でもあなたはそう思いながらも調査の段階で敵の戦力を叩くべきだと考えたのね」
「確かにこの街は見たところ防衛に適した地形だし、突貫工事にも関わらず簡単な砦も建造している」
「ええ、私もそう思うわ」
「だけど、この街から避難しきれていない人もいるし、ここを戦場にするのはどうも抵抗がある」
ニラダの発言を聞いたミヨモはニラダの考えを察して発言をする。
「だからニラダ君は調査しながら戦う事でこの街の人を巻き込まないようにしたいんだね」
「ああ。表立って軍の方針に反対できない以上、このやり方がいいと思ってな」
「いいんじゃねえのか、守るよりも攻める方が俺達の性に合っているしよ」
「そこまで言うなら私もあなたの考えに賛同するわ」
「うん、私もニラダ君と同じ気持ちだよ、あの子達を戦いに巻き込みたくないもん」
「……多数決で決まった以上反対する理由はないからね」
ニラダの主張もあり『成長しあう者達』は調査部隊を希望する事になった。
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