魔の国へ
ニラダの師でありS級冒険者のガンディーがデデンのギルドでニラダ達に伝えた事実、それは魔王軍が命を奪った人間の魂を密かに魔の国に運んでいた事であった。
「諸君らも知っているであろうが、魔の国とは魔王軍の本拠であり、魔王亡きあとは幹部も散り散りになっていた為、国としては機能していなかった」
「だが幹部達が再び動き出すと奴らはそこを拠点として機能を復活させ、人間に対して侵攻を開始したんだ」
「先程のガンディーの情報にもあったように各戦線は膠着しており、少しづつだが確実に犠牲者は出ておる、迷った末にガンディーの進言もあり、わしは決意した!」
カーリソンギルド長は決意をしたと言い放ち、その内容を強く冒険者に伝える。
「ずばり!我らは魔の国へと乗り込むのだ!現在多くの幹部を国の軍、そして冒険者が引き付けておる!動ける戦力で乗り込み、一気に勝負をつけるのだ!」
「俺達の調査でただ1体侵攻軍の指揮をとっていない魔物がいる事が分かり、そいつがおそらく集めた魂で魔王復活の儀式をしようとしているんじゃないかとふんでいる、そしてそいつは闇魔導士ズームだ」
「いうなればズームさえ倒せば奴らには魔王復活の術はなくなる、そうなれば我らにとっては一気に形成を有利に持って行ける」
「もちろん、俺達も魔の国に乗り込む!これが奴らを叩くチャンスだからな!」
カーリソンやガンディーの説明を静かに聞いていたが、そこである冒険者が疑問を投げかける。
「ちょっと待ってください!確か魔の国は人間を阻む結界があるんですよね、どうやって入るつもりなんですか」
「結界を解除できる奴が1人だけいる、そこにいるニラダって冒険者だ」
「え?俺?」
「ニラダの持つ、その剣にはアビジンが含まれている。アビジンは単なる金属じゃなくて魔物特有の魔力も含まれている、それが結界を解除し、俺達も魔の国に入るカギだ」
ニラダの持つホープブレードが魔の国の結界を解除するカギだと説明するがニラダには納得できない事もあり、それについても尋ねる。
「待ってくれ!たとえそれができたとしても、瘴気に飲まれてしまうんじゃあ、勇者しかその瘴気は打ち消せないはずだし……」
「ニラダ、お前には補助魔法がある、それを使えば瘴気にも耐えられるはずだ」
「俺だけ耐えれても意味ないよ!」
「まあ、待て!補助魔法をお前だけじゃなく、ホープブレードにもかけろ、確かマジックバリアの魔法を使えたよな」
「確かに使えたけど……」
「剣の力と補助魔法で瘴気は打ち消せる、そしてこれはお前にしかできない事だ」
ニラダに結界解除を任せようとするガンディー、ニラダの決断は?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます