門の突破

 テリソン本隊が進軍している西側に戦力を集中し、門の前で待ち構えるニラダ達冒険者と兵団の面々に緊張が走っており、まずはガードに部下の兵が報告に現れた。


「団長、北側及び東側からも魔物の集団が迫っております」

「南側からは?」

「斥候を送っていますが進軍があったという報告はありません」

「高台に兵を置く、そこを突破されたら防御魔法や結界魔法を使える者に任せる他あるまい」


 ガードと兵のやり取りを聞いているとニラダに対してジャンが声をかける。


「ニラダ、もし住民の避難先に行かずに俺達の所に来たらどうするんだ?」

「そうね、テリソンがどんな指示を出しているか分からないけど、まずは私達をつぶす事を考えてもおかしくないわ」

「その時は逆に今結界を張ってくれている人達との挟み撃ちで俺達の所に来た魔物を返り討ちにするつもりだ」


 ニラダが考えていたまた別の作戦をティアやジャンが聞いていると高台の兵がガードに報告をする。


「団長!魔物です!魔物が迫っております!」

「ついに来たか?それでテリソン、ヴァンパイアロードはいるのか?」

「まだ視認できません、おそらく後方に控えているかと!」

「弓を放て!とにかく奴らにできる限りダメージを与えるのだ!」


 ガードは部下の兵よりテリソンの指揮する魔物が迫っている報告を聞き、とりあえず弓を放つよう指示を出す。


「諸君、どうやらまずは部下の魔物に門を破壊させるようだ!」

「まず、我々が魔物をできうる限り討つから君達はテリソンを頼むぞ」

「はい、任せてください」


 そう言っていると弓をかいくぐった魔物が門の破壊活動を行い、兵士も内側を支え破られまいとするが門は破壊され魔物がなだれ込みそうになるが、すかさずガードが兵達に指示を出す!


「皆の者!奴らを討ち果たすぞーーー!」

「おーーーー!」


 ガードも得意の剣技スキルを発動させ魔物を切り裂き、それをきっかけに兵団と魔物の乱戦が始まる。


 兵団が討ち漏らした魔物が突破を試みるが後方に控えた冒険者により簡単に倒されてしまう。


「おらーーー!そう簡単に突破できると思うなよ!」

「そうだそうだ、てめえらなんざ相手にならねえ!」


 とりあえずの方針としては今の冒険者の前衛担当であればスキルを活用せずとも魔物の撃破は容易であり、テリソンと相対するまで魔力等を温存する作戦であり、魔法使い達は後方に控え、テリソンに備えていた。


「情けない奴らめ、どうやら我自らが相手をしなければならないようだな」

「あれは……」

「テリソン……」


 遂に自らが前線に立つテリソン、この戦いの行方は?

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