ティアの懇願
2日間の休みを経て、ニラダ達『成長しあう者達』はギルドを集合場所にして今後の方針を話し合う事となったが、まずニラダが目標として自分達はSランク冒険者、パーティーを目指す事にしたいと話し、いきなりのSランク宣言に少し戸惑うがまずはミヨモが返答をする。
「あ、えっと、確かにニラダ君は最強パーティーを目指すって言ってたわよね?」
「ああ、確かに言ってたな?」
「その、最強パーティーっていうのは一番強いパーティーを目指すって事だと思ったんだけど、Sランクパーティーももちろんすごいけど、なんていうか一番じゃなくてもいいってわけじゃないよね?」
「ああ、あの時はどこか自分もふわっとというか、あまり具体性はなくなんとなく言った言葉だったんだけど、今回は少し違うんだ」
以前の目標として発した最強パーティーはなんとなく発した言葉だとニラダは話すと、更にティアが尋ねてくる。
「つまり、今回のSランクを目指すっていうのは何かあなたにとって目指したいと思う理由ができたの、遠いけど現実的ではないと言えないしね」
「そうだな、この事も話しておくか」
ニラダはドットより聞いたかつて自分の師匠であったガンディーが新人ながら冒険者パーティーのリーダーを務めていた事、そして自分の母が師匠が思いを寄せていた女性である事、火災で両親は命を落とし、その火災から自分を救ってくれたのは師匠である事、孤児院から後に引き取って弟子入りさせてくれた事をパーティーメンバーに話した。
「そうだったの、ニラダ君にそんな事が……」
「まさかあなたも孤児院育ちだったなんて」
「それで、ニラダ、この話とSランクパーティーを目指す事は関係するのか?」
「この話を聞いて師匠を探して会いたいと思うようになった、師匠は現在Sランク冒険者だし、その為には俺、もしくは俺達がSランク冒険者やパーティーになる必要があると思ったんだ」
ニラダ自身、そして『成長しあう者達』がSランク冒険者やパーティーになる必要があると聞いて、ティアが返答をする。
「あなたのお師匠さんは確かにSランク冒険者でどの国でも冒険者として活動ができる事を考えると手掛かりをつかむのにも同じSランクまで上がっているのがやりやすいって事ね」
「そうだ、だけど俺の一存では決められない、みんなの考えも聞かせて欲しい」
「……あなたの言う最強パーティーは夢みたいな話だと思ってあまり本気にはしていなかったけど、今回は事情が違うし、もう1日だけ私達だけで話し合わせてくれる?」
「私達?」
「つまりニラダ抜きで俺達だけで話すって事か」
突然のニラダの目標を聞き、改めて自分達だけで話し合いたいと懇願するティア、『成長しあう者達』はSランクを目指すのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます