師匠の行方

カーリソンギルド長との決闘を制したニラダの師匠ガンディーはその後も嫌がらせに近い決闘を挑まれ、クエスト攻略になかなか進めないでいたが、自身の力とカーリソンギルド長の手助けもあり、決闘の波をなんとか切り抜ける事に成功する。


「だけど何でギルド長はそこで師匠を助けるような事をしたんですか?元々気に入らない奴だったうえ、多分、冒険者としても能力が高かったでしょうし」

「ふふふ、自分の師匠の事をそういうふうに言うとはお前も余程苦労したのだな」

「あ、い、まあ、はい……」

「確かに決闘以前の新人らしからぬ態度に腹を立てたのは事実だ、だがわしは得意の剣で、そして奴にとっては本来専門外だったはず、その条件で負けてしまった以上、奴の実力は認めねばならぬと思ってな」


 カーリソンギルド長は、あくまでも純粋な技量で負けてしまった以上ガンディーの実力を認めるたと話し、更に手助けをした理由も明かした。


「それにだ、奴を助けたのは奴の為というよりは、決闘を挑んだ者達はただ邪魔をするだけに終始し、わしには奴らが冒険者の気概がないと思い一喝したに過ぎん」

「そうだったんですか……」

「その後は奴も冒険者としての実績を重ねていったな、そしてある時お前という弟子をとった」

「そういえばカーリソンギルド長は自分が師匠の弟子という事を知っていましたよね、確かあの時は師匠は冒険者として休業中で誰も知らなかったはずなんですが」


 ニラダを弟子として孤児院から引き取った時はガンディーは冒険者として休業中であり、その時の様子は身内であるドットくらいしか知らなかったはずでニラダはその為、疑問を投げかけた。


「わしも噂くらいでしか弟子をとった事を知らなかったが、お前が冒険者として新人ながらリーダーを務めており、そして今回ガンディーの話を聞きたいという事で、確証はなかったが、カマをかけてみたら」

「そ、そうだったんですね、見事にギルド長に誘導されてしまったんですね」

「ははは、おそらく真正面から問いただしてもはぐらかされると思ってな」

「それなら、もうはっきりとお聞きします、ギルド長は今師匠がどこで何をしているか分かりますか?」

「悪いが今のわしでもわからぬ、わしはあくまでもデデンの街のギルド長にすぎん、その管轄下で活動している冒険者の動向しか把握しとらん」


 カーリソンギルド長でも現在のニラダの師匠であるガンディーの居所は分からないと告げられる。この話を聞いたニラダは?

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