出た結論

 ニラダは『成長しあう者達』が調査を希望している事を伝えるとともに、さりげなく街の外での迎撃も提案するが、他のパーティーのリーダー達は外での迎撃には不安を覚えている事を吐露し、ニラダは街の人の事も言及する。


「だけどここには住民もいるんですし、可能ならできる限り外で迎え撃つのも理想だと思うんですが」

「だがな、今はどこに魔物が来るか分かんねえし、巻き込まずに戦うのは無理があると思うぜ」

「そうそう、もちろん俺達だって可能な限りは住民を守るけどよ、なんだかんだ自分たちの身を守るのが精一杯だろうし」

「それにどこで戦おうが俺達や領主軍がやられちまえば住民だって助からねえ、だったらこっちも戦いやすさを追い求めようぜ」


 ニラダの街の外での迎撃案は冒険者達にとってはリスクが高く被害が出やすという主張が多くを占め、ニラダも住民の巻き込みをできる限り抑えられればと思っていたが、自分達がやられれば結局意味がないとの意見を受け、ニラダは改めて自分達の希望を訴える。


「そうですか、それなら皆さんが戦いやすくするっていう意味でも俺達は調査を希望します」

「そうか、まあ俺達はみんな防衛を希望するからな」

「え?そうなんですか?」

「まあな、見つからなけりゃあいいけど、見つかっての戦いはさすがに分が悪いからな」


『成長しあう者達』以外のパーティーは防衛を希望しており、その話を聞いていたギルド職員のアービットは冒険者達に告げる。


「皆様の中で結論が出たようなので、私はガード様に皆さまのお考えを伝えてきます」


 そう言って、アービットは作戦室を退出し、各パーティーリーダーもそれぞれの仲間の元へと戻って行く。


「あ、お疲れ様ニラダ君、どうだった?」

「とりあえず俺達の希望は通ったけど、調査部隊は俺達だけだ」

「え、そうなの?大丈夫かな」

「まあ兵団からも調査人員を出すだろうし、心配はしていないが、外での魔物との戦いにはどうもみんな消極的だったな」


 ニラダが他のリーダー達が外での魔物との戦いに消極的である事を伝えると、それについてティアが言葉を発する。


「ニラダのようにできる限り街の人を巻き込みたくないのも分かるけど、相手の強さや数は未知数、少しでも自分達に有利な場所で戦いたいと思うのは当然だと思うわ」

「ああ、しかし冒険者から俺達だけだし、敵の叩き方が問題になってくるな」


 兵団からも調査の為の人員が出るとはいえ、魔法やスキルを駆使した戦い方ができる調査人員が自分達だけという事実にニラダはどういった策を練るのか?

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