カイルの秘密

 突如ニラダ達の前に現れた師のガンディー、現れるやいなやニラダを羽交い絞めにしたかと思えば、ニラダにパーティー間で色恋があるのかと尋ねたりとニラダを翻弄するが、気を取り直してニラダが師匠に問いただす。


「っていうか!わざわざそんな話をしに来たのかよ!」

「バカ弟子が、情操面の成長も師匠としては気になるんだよ、身体ばかり強くなっても立派な冒険者にはなれねえからな」

「いや、こっちは師匠が出てきただけでも混乱しているのに、カイルさんが師匠に助けられたって言うから、その辺りの事を説明してくれるんじゃないのかって!」

「まあ、死んでたはずの奴が生きてたらビックリしただろうし、その理由は知りてえよな」


 そう言うとガンディーはカイル救出の疑問について説明を始めた。


「まあ、最初に言うがカイルは俺のパーティーメンバーだ。助けるのは当然っちゃ当然だ」

「え?でも確かカイルさんって確かソロ冒険者でパーティーを組んでいなかったはずじゃ……」


 カイルはガンディーのパーティーメンバーだと話すが、ニラダはカイルがソロ冒険者と聞いていた為、話が合わず戸惑うが、その瞬間にカイルが口を開いた。


「すまない!ニラダ君!みんな!今まで隠していて!」

「え?じゃあカイルさんは本当に……」

「ああ、私はガンディーさんのパーティーメンバーだ、君達の今のランクでは私達の事を調べられないと思って、そう言った」

「……師匠、これはもしかして師匠の指示か?」


 ニラダはカイルが黙っていた事を謝罪し打ち明けると、黙るよう指示を出したのがガンディーなのではないかと師匠に疑問をぶつける。


「ああ、俺がカイルにお前達に接近するように言った」

「何のために、いやその前にカイルさんにはズームという魔王軍の幹部と一緒に戦ってくれた仲間がいた、その人達の存在も作り話なのか?」

「いや、彼らはガンディーさんと会う前に組んだ仲間でその時もズームから私を助けてくれたのがガンディーさんだったんだ」

「……他の奴らは間に合わずに助けられなかったがな……」

「師匠……ごめん……」

「謝る必要はねえよ、俺がカイルに存在を伏せるよう言ってお前らに接近させたのは事実だからな、だがこれは必要な事であった」

「それは一体何の為に……」

「決まってんだろう、魔王軍の幹部を倒して魔王復活を阻止するためだ」


 意外なカイルとガンディーの繋がりを知ったニラダ達、だがそれは魔王軍の幹部を倒し魔王復活を阻止するためのものであったのだ。

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