誇れる私

 ニラダに突然Sランク冒険者でもある師匠ガンディーに会う手掛かりをつかむ為に自分とパーティーもSランクを目指したいと言われたミヨモ達は戸惑うが、ティアが一度自分達で話し合いたいと懇願し、ミヨモとジャンにもとりあえずまずはそれぞれで考えた方が良いと話し。3人は解散し、再度翌日ギルドに集合する。


 まずティアがテーブルにつき、それから続けてミヨモ、そして程なくしてジャンも到着しニラダを除いた3人での話し合いが始まろうとしていた。


「おはよう2人共」

「おはようティアさん、ジャンさん」

「3人そろったし早速始めるか」


 3人が揃った事でニラダの希望に今後沿っていくかどうかの話し合いの開始をジャンが促し、まずはティアが発言する。


「一応、私が冒険者をやっているのは聖職者の修行も兼ねているのと、貴重な薬草が手に入りやすいし、それを調合してお世話になった孤児院の子達にポーションを送るのが目的なのよ」

「あれからもずっとやっているってティアさん言っていたもんね」

「それで、ティアのやりたい事はニラダの目標に付き合う事で続けられるのか?」

「ずっと考えていたんだけど、その為にこの地域、そして国すらも離れたら続けていく自信は


 冒険者としてのランクが上がり、またニラダの目標である師匠に会う事に付き合うと国すらも離れなくてはいけない事への不安を吐露し、ミヨモが不安な部分について尋ねる。


「じゃあティアさんはニラダ君にもうついていけないって事?」

「いいえ、実は昨日その孤児院に久しぶりに顔を出して院長さんと子供達にお話をしたわ」

「それで何て言ってたの?」

「院長さんもそして子供達が言ってくれたんだけどもし本当に私やパーティーがSランクになったらそれはとても誇らしいってね」

「ティアさん、それじゃあ……」


 ミヨモがティアを期待の眼差しで見つめているとミヨモの期待通りの言葉で返答をする。


「ついていくわ、Sランクは果てしないと思うけど、あの子達に誇れる私である為にね」

「ティアさん……」

「まあ、俺はお前やニラダ程ご大層やご立派な志は持ち合わせていねえ」

「ジャン……」

「だがよ、盗賊専門の盗賊でもSランクがやれるっていうのはなんか面白そうだし、世界中駆け回ってレアなお宝を見つけるのも悪かねえな」


 ジャンの話を聞いてティアは微笑みながら返答をする。


「ふふふ、なんていうかあなたらしいわね」

「せっかくだし盗賊ってジョブからトレジャーハンターに変更しようと思っている」

「うん、今のあなたならピッタリよ」


 ティアとジャンが自らの意思を示す中ミヨモもまた自分の考えを話そうとしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る