　カーリソンギルド長との面談を終えたニラダ達『成長しあう者達』は受付に、面談が終了した事とジャンのジョブを盗賊からトレジャーハンターに変更してもらう為に受付まで来ていた。

「では、本日よりジャン様はトレジャーハンターとして活動されるという事でよろしいですね」

「ああ、頼むぜ」

「承知しました、そのようにジョブを変更しておきます」

　ジャンのジョブが盗賊からトレジャーハンターへの変更が終了するとミヨモが声をかける。

「良かったね、ジャンさん、これからジャンさんはトレジャーハンターだね」

「ああ、まあパーティー内でやる事はあんま変わんねえが冒険者らしさって意味ではこの方がいいと思ってな」

「そうね、でも盗賊ギルドの事はいいの？今も所属はしているんでしょう？」

「まあ、そこはうまく使い分けるともりだし、どっちにしても今は盗賊から宝を取り返す依頼もねえし、冒険者として稼がせてもらうぜ」

　ジャンの言葉を聞いて、ニラダはある事が浮かび、それを一同に伝える。

「ジャン、それじゃあまた盗賊ギルドに依頼があれば、その仕事を受ける事もあるんだな？」

「まあな、でも心配すんな、盗賊も今はおとなしいし、冒険者の仕事に支障はないからよ」

「いやそうじゃなくて、ジャンには別の稼ぎ口もあるって事か、ティア、ティアは聖職者見習いだけど、その仕事もあるのか？」

「そうね、クエストがない時は時々治療しているわ」

　更にニラダはティアにも聖職者見習いの話を聞き、更に発言を続ける。

「今気づいたけど、ティアとジャンは冒険者以外の稼ぎ口もあるが、俺やミヨモにはないな」

「あ、そうだね、今まではとりあえず冒険者としての収入だけで生活やアイテムとかが手に入ったけど」

「ああ、カーリソンギルド長の言うようにランクが上がって、安い報酬のクエストで細かく稼げなくなることも考えると……」

「ちょっと、ニラダ何を考えているのかしら？」

「俺とミヨモも何か別の稼ぎ口を確保しておく必要がありそうだな」

　突然ニラダから出た意外な言葉にティアとジャンは苦言を呈すように声をかける。

「ちょっと待って、私達は元々の仕事の延長で冒険者もやっているけど、あなた達は最初から冒険者を目指していたんでしょう」

「そうだぜ、大体お前ら、他に得意事あるのか？」

「そう言われると確かに何をするかは大事だな、冒険者と両立できる仕事か……」

「私は魔法のアクセサリー屋さんをいつかやりたいと思っていたけど、今からでもできるかな……」

　突如別の稼ぎ口を考え始めたニラダとミヨモにティアとジャンは一抹の不安を感じたのである。

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