ギルドでの待機
ハイバイの街を発ち、久しぶりにデデンのギルドに到着するとニラダ達は馬車から降りて、ギルドに入る前にアービットから呼びかけられる。
「皆様、改めましてテリソンの討伐お疲れ様でした、皆様のご活躍を受付に提出しますので、また改めて各パーティーで報酬は受け取ってください」
「お、1回戦うごとに報酬が出るんだな」
「ええ、特に今回は魔王軍幹部テリソンを討ち取ったので、その分が上乗せされます」
「まあ、その上乗せ分が多いのはニラダ達なんだろうけどな」
冒険者の1人がニラダ達は報酬の上乗せが多いという発言をすると冒険者の目がニラダに集まり、ニラダは少し困惑する。
「はは、と、とりあえず休もうか」
「ニラダ、報酬を得るのはいいが、今の俺達に金だけあっても困るだろう」
「そうだな、可能な範囲でアイテムを勝っておくか、特にマジックポーションは必要だろう、ティアやミヨモが少しでも多く魔法が使えるようにな」
「そうね、いくら装備で魔力消費を抑えているからといってもね」
ニラダ達が話している中アービットは冒険者の活躍度を書き記した書類をギルドの受付に提出し、冒険者に伝える。
「皆様!たった今提出しましたので計算が終わるまでしばしお待ちください」
「なあ、ねえちゃん、金は受け取るが、ギルド長から次の指示はないのか?」
「情報の把握もありますでしょうし、皆様に次の動きがあればお知らせはあるでしょうからしばらくギルドや街中で待機でよろしいかと」
「しゃあねえな、よし金を受け取ったらアイテムでも買いに行くか」
とりあえず冒険者は次の方針が明らかになるまで待機する事となり、受付の計算も完了し、報酬を受け取りに行く冒険者がいる中、ニラダ達は一度テーブルの椅子に座り、話し合う。
「しかし、お前の師匠はギルド長に情報を提供するって言ってたけど、何が分かったんだろうな?」
「師匠は見ての通りかなりの自信家だ、だけど魔王軍が関わっている以上、一度カーリソンギルド長に情報を更に確認してもらう必要があると考えたんだろう」
「私達は勝てたからいいけど、もし負けているところがあったら……」
「救援や奪還をしないといけないかもね」
「国の軍と冒険者が戦っているし、いくら魔王軍でも拠点制圧は難しいと思うんだけどな」
「だがよ手薄な所もあるだろうし、魔王軍もそこは突くんじゃねえのか?」
「だが奴らはこっちほど情報を掴んでいる感じはしないな、領主軍と冒険者が揃っていり街に襲撃をするくらいだからな」
次の行動まで少しの時間ができたニラダ達、しかし不安はぬぐえないでいた。
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