決まった方針

 ガード達兵団が住民を守り、冒険者はテリソンに集中攻撃をする事で方針が固まりそうであったが、ここでニラダがテリソンを倒すには兵団の力も必要と主張し、冒険者の1人がニラダに返答をする。


「ニラダ、何を言っているんだ、他の魔物ならともかくテリソンをただの剣や槍で倒せるわけねえだろう」

「うむ、悔しいが私もそう思う。私自身は剣技スキルを使えるが、他の者では……」

「いや、まさにその他の魔物に対応してもらうわけだ」

「はあ?どういう意味だ?」


 ニラダの発言を受け冒険者はテリソンを通常の武器で倒すのは難しく、ガードも同意するがニラダは他の魔物への対応の為だと言い、更に話し続ける。


「確かに俺達冒険者は魔法やスキルでテリソンにダメージを与えられるかもしれない、だけどテリソン自身も魔物を指揮しているんだ」

「そいつらも俺達で倒していけばいいだけだろう」

「いや、結局は数で負けている以上、テリソンを相手にする余力が残るかどうかの不安はぬぐえない、だから兵団の人達にテリソン指揮下の魔物を任せるんだ」

「待ってくれ、ニラダ殿、我らがその任を負うとなれば住民を誰が守るのだ?」


 ニラダは兵団をテリソン指揮下の魔物との戦いを任せる事を主張するとガードは誰が住民を守るかを問い、それについてもニラダが返答をする。


「住民は確か現在1か所の建物にいるはずです、そこにヒーラーで防御魔法やスキルを使える者を置けばいいはずです」

「ちょっと待て、そうしたら俺達の治癒はどうするんだ?まさか特攻覚悟か?」

「心配はいらない、うちのヒーラーは治癒魔法しか使えないし、彼女なら範囲回復もできて彼女1人がいれば相当な継戦ができるはずだ」

「……結果魔法なら確かに魔物は寄せ付けねえかもな、いいぜ、俺はニラダに1票入れるぜ」

「俺もだ、兵団が魔物と戦っている間にテリソンの野郎を俺達でボコボコにしてやるか」

「それで兵団長さんはどう考えているんですかい?」


 冒険者達が次々とニラダの案に賛成の意を表明するとガードもまた自身の考えを表明する。


「うむ、住民はその結果を作れる者達に任せ、我らもテリソン本隊を討つ!」

「兵団長殿も賛成か!それじゃあ決まりだな!」


 一同の考えがまとまり始めたところに兵が作戦室に入室しガードに告げる。


「団長!テリソン本隊並びに奴の部下の魔物がこちらが目視できる範囲まで迫っております!」

「来たか!よし兵よ!そして冒険者の諸君、配置についてくれ!」


 ついにテリソンとの激突が始まろうとしている、勝利するのは?

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