仲間の後押し

 ニラダの目標に付き合えるかどうかの話し合いを行い、約束の2日が経ち、ミヨモ達はニラダに自分達の考えを伝えるべく、ギルドに集合しニラダの到着を待っていた。


「いよいよだね」

「まあ、私達の考えは決まっているし、そこまで緊張する事ではないわ」

「そうそう、俺達は俺達の為にもニラダの目標に付き合うって言うだけなんだしよ」

「うーーん、それでもなんかドキドキするよ」


 ミヨモが緊張をしている中、ニラダもギルドに到着してミヨモ達を目にすると声をかける。


「やあ、みんな、もう来ていたんだね」

「あ、ニラダ君おはよう」

「おはようニラダ」

「まあ、座れよ」


 挨拶を交わすとジャンに促されてテーブルに着くとニラダからまずは声を発する。


「早速だけど2日間いろいろ考えてくれたと思うし、みんなの考えを聞かせてくれないか?」

「じゃあ、結論から言わせてもらうわ、私達は3人共これからもあなたとパーティーを組んでSランク冒険者、パーティーを目指す事にしたわ」

「俺としてはもちろんそうしてくれるのはありがたいけど、自分達のやりたい事とちゃんとすり合わせてきたのか?」

「もちろんよ、まずは私から……」


 ティアは孤児院の院長や子供からSランク冒険者を目指す後押しの言葉をかけてもらった事、ジャンはトレジャーハンターにジョブチェンジし、世界中のレアなお宝を手に入れるという新たな目標を、そしてミヨモはかつて生まれ育った村で共に魔法を習っていた友人ララに会う為にと、それぞれの目標もまたニラダの目標であるSランク冒険者を目指す事で達成しやすいとニラダに告げたのだ。


「そうか、みんな、そこまで考えて」

「ええ、それにどうせなら目指さない?」

「ああ、Sランク冒険者は当然目指すよ」

「バカ!お前がポロっと言った最強パーティーもだよ」

「え?えええええ⁉」


 ミヨモ達が自分の目標に付き合ってくれると同時に一緒に最強パーティーを目指すという言葉にニラダは戸惑うと更にティアが言葉をかける。


「あら、あなたがそう言ったのに何で困っているの?」

「だ、だってさ、みんなあんまり本気にしていなかったじゃないか……」

「ニラダ、Sランクそのものが目指すのが難しいのは俺達だって百も承知だ、だったら目標を高く設定した方がいいと思うぞ」

「うん、私もそう思う。ニラダ君がお師匠様に会った時に最強パーティーだったらお師匠様を驚かせるよ」

「最強パーティー……、ああ!目指そう」


 仲間からも後押しされニラダは再度最強パーティーを目指す決意をするのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る