魔の国への道

 ニラダ達に魔の国へと乗り込む事を告げたガンディーはギルド職員に魔の国までの地図を配布してもらい、その道のりを見てニラダ達は驚愕をする。


「この位置は、こんな小島が魔の国!」

「ただ船で2日もあれば行ける距離ね、まさかこんな近くに魔物の本拠があったなんて」

「うん、まさかだよ」

「ん?お師匠さんちょっといいか?」


 地図を見て何かに気付いたのかジャンはガンディーに質問をする。


「この情報は他のギルドにも届いているのか?俺達以外にもここに向かう冒険者はいるのか?」

「もちろん情報は届けている、俺達以外にも情報集めに動いているパーティーはいるからな、ただ向かうかどうかは他のギルドの判断次第だし、俺達は準備が整い次第行く事になっている」

「だが、よく言わねえか戦力の逐次投入は愚策だと、もし俺達だけで行って全滅してしまえば敵に体勢を整える時間を与えてしまうし、他のギルドと連携っていうか歩調を合わせたほうがいいんじゃねえか?」


 ジャンは他のギルドとも連携し、戦力を充実させての魔の国への突入をガンディーに主張するがその発言に対しカーリソンギルド長が返答をする。


「まあ待て、その件についてはわしが答えよう」

「ギルド長……」

「今回の超緊急クエストは各ギルドがあくまで国家や地方より要請を受けて対応しているに過ぎん、情報の共有はしているが、歩調を合わせての突入は難しい面があるのだ」

「そ、そうなんっすか……」


 今一つ納得していなさそうなジャンの表情を見てカーリソンは改めて詳しい説明を行う。


「ギルドの管轄内でまだ魔王軍の脅威等があるとそこの防衛を優先する動きもある、あくまで我らは侵攻の脅威が薄くなったので突入という選択ができたに過ぎん」

「じじいの言う通りだ、それに俺達にはニラダが結界を破壊できる事もあっての突入だ」

「そういう事か」

「もちろんお前の申す事も理解できる、我々が全滅すると次の突入は難しくなるからな、だが今は魔王軍も各地に戦力が分散している、この機しかないと最終的な判断をくだしたのはわしだ!」

「お師匠さんやギルド長がそこまで考えての行動なら俺にももう異論はない、全力を尽くすだけだ」

「うむ、とりあえず船等の手配もあるからな、それまではお前達もしっかりと準備をしているが良い」

「つうわけだ、出発まではこの街にさえいりゃあとりあえず自由だ」


 魔の国に向かう準備が着々と進行している中、ニラダ達はこの時間をどう過ごすのか?

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