気になった事
明日のトンの港町までの出発に備え、休む事としたニラダ達にガンディーが声をかける。ガンディーと話している状況を見てミヨモがニラダに一言告げる。
「ニラダ君、また後でいつものお店にね」
「え?あれこのまま街をみんなで回るんじゃないのか?」
「ガンディーさんとやっぱり話す事あるんでしょう、だからそれまで私達だけで回っているよ」
「あ、え、ええ?」
ミヨモが師匠であるガンディーと話す事があるんじゃないかと気を遣われて少し戸惑うニラダであったが、ティアやジャンもニラダに言葉をかける。
「せっかくだし、話して来たら、作戦が始まればゆっくり話している暇はないんだし」
「そうそう、俺達は俺達で過ごしているからよ」
「じゃあ、また後でね」
そう言ってミヨモ達はギルドをあとにし、その場にはニラダとガンディーの2人だけになった。
「行ってしまった……」
「ニラダ、あいつらの言う俺に話す事ってまだあんのか?」
「え、ええっと……」
「まあ、ドットの野郎から大体の事を聞いてそうだし、逆に俺に聞きたい事なんてないだろうな、もう」
ガンディーはもうニラダが聞きたい事はないだろうと考え、その場をあとにしようとするがニラダは強く引き留める。
「ま、待ってこの際だし1つだけ聞かせて欲しい事がある!」
「何だ?言っておくがどうしてお前を試すような事とかをしたとかはなしだぜ、そんな事をいちいち俺に言わすな」
「違うよ、そ、その俺の母さんってどんな人だったのかなって……」
「……お前実はマザコンだったのか?普通は両親ともにどんな人か聞くだろう」
ニラダに対しマザコンじゃないのかと言い放つとすぐさまニラダは否定の言葉を強く放つ。
「違うよ、なんていうか俺の父さんは言うなれば師匠の好きな人を盗ったわけだし、そのあんまりいい思いはないかなって思ってさ」
「中途半端に変な気遣いするなあお前は、そのうえで母親の事は聞くのか?」
「火災の時はまだ俺も物心つく前だし、両親が火災で死んだのを知ったのも後から院長さんに聞いて知ったくらいだしね」
「はあ、それなら仕方ねえな、特別にお前の親父についても話してやるぜ」
父親の話もしてやろうというガンディーの発言を聞き、ニラダは驚きを隠せず無言なまま呆然とした表情をしている。
「どうした、まるでゴブリンが急にでかくなったような顔をしやがって」
「どんな顔だよ!いや、まさか父さんの事まで話してくれるなんて思わなかったからさ」
「いや、話しておかなくちゃいけねえ、なんせあいつは本当の意味でお前の冒険者としてのルーツなんだからよ」
本当の意味でのニラダの冒険者のルーツと言うガンディー、その意味とは?
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