気の合う仲間

 ニラダが早速補助魔法による自己強化を活用してあっさりとグリーンオーガの1体を倒し、ジャンとミヨモにすかさず指示を出す。


「ジャン!魔石の回収を頼む!ミヨモ!魔法で残りのグリーンオーガを頼む」

「おう!」

「任せて!」


 ニラダの指示を受け、ジャンは魔石の回収に向かい、ミヨモは2体のグリーンオーガを倒す為に呪文の詠唱を始める。


「我に宿りし風の力よ、我が敵を切り裂き給へ!ウインドカッター!」


 ミヨモが呪文を唱えると風の刃が2体のグリーンオーガを切り裂き、2体とも魔石と化す。


「やったなミヨモ!」

「うん!ありがとうジャンさん」

「お疲れ様2人共、ケガはない?」


 ティアが2人をねぎらうとともに、ケガの具合について尋ね、2人からの返事を聞く。


「俺は大丈夫だ」

「私も大丈夫だよ、ニラダ君にも聞いてあげて」

「多分ニラダなら……」


 ティアの予想通りニラダは無傷であり、そのままニラダはグリーンオーガの角を回収し、3人に駆け寄っていく。


「みんな無事のようだな、相変わらずミヨモの魔法は強くて助かるな」

「ありがとう、私もクエストをこなしながら少しづつ強くなっているんだよ」

「それは頼もしいな。ジャン、ジャンも前衛としては申し分ない動きじゃないか」

「流石にお前には負けるぜ、補助魔法の効力が上がるスキルを持っていたとは聞いてたが、まさかあそこまでとはな」


 ニラダはジャンの動きを称賛するが、そのジャンはニラダの自己強化能力の高さに驚きを口にし、改めてニラダのすさまじさを思い知るのであった。


「とりあえず、まずはこの階層の宝を回収しよう、ジャンその場所への案内を頼む」

「任せろ」


 ニラダの懇願を受け、ジャンは自ら先頭に立ち、ニラダ達を案内するように歩くが、その様子を見てミヨモがティアにこっそりと声をかける。


「ねえティアさん、なんだかんだ言ってもジャンさんって冒険者を楽しんでるっていうか、活き活きしているように見えない?」

「そうね、案外彼の気質は冒険者向きだったのかもね」

「もしかしたらニラダ君、それを見抜いて勧誘したのかな?」

「どうかしらね、でもニラダも初めての同性の仲間だし少し気は楽なんじゃない」


 ミヨモとティアのこそこそ話しを気にすることなく進むジャンとニラダは宝箱を発見する。


「お、これだな」

「よし開けてみよう」

「おお」


 ニラダとジャンが宝箱を開くとスカーフみたいなものが出てきて、ジャンが手に取る。


「待て、俺の鑑定スキルで何か効果がないか調べてみる」

「そんな事ができるのか?」

「まあな、……これはいいぜ、俺にピッタリかもしんねえ」


 新たなスカーフ、ジャンにピッタリなその効果とは?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る