装備の回収
馬車の手配にまだ時間がかかるという事で、ジャンは自分とミヨモの装備をドットの工房に取りに行く余裕はあるとニラダに提案するが、準備完了時点でこの場にいなかったらクエスト離脱に加え、冒険者資格のはく奪という重いペナルティが課されると聞き、ジャンは戸惑う。
「参ったな、ここに来て装備を取りに行くと間に合わなくなるかもしれないなんてな」
「ジャンさん、さすがにクエストに参加できないと意味はないし、装備はあきらめようよ」
「だけどミヨモ、ニラダにはホープブレード、ティアにもアンチエビルアクセサリーがあって、戦いを優位に進められるのに、俺達だけ今のままいくと足手まといになっちまうぞ」
「でももし間に合わなかったらクエストに参加できないだけじゃなくて冒険者でもいられなくなるんだよ」
ミヨモとジャンのやり取りを聞いてカイルが2人に装備について尋ねる。
「ちょっと待ってくれたまえ、ミヨモ君とジャン君はどんな装備を希望していたんだ?」
「私は魔法の威力が高まる杖を希望しています」
「俺は空飛ぶ靴だな、空中戦でも戦えるように」
「そうか……魔法の威力は戦いにおいて大きな武器だし、空中戦は他の誰にもない大きな武器だな」
カイルが2つの装備の良さを感じとり、その事を口にするとニラダはカイルに考えを尋ねる。
「カイルさんははく奪リスクを負ってでも装備を取りに行くのがいいという考えですか?」
「ああ、君の剣の輝きからはとてつもない武器であることを感じる。鞘にしまっていてもオーラがちがうからね、それにティア君の治癒魔法は我々の戦線維持に役立つし使用回数が多いに越した事はない」
「あんたの言う通りだ、ニラダの武器は補助魔法でかなりの強化がされるだろうし、ティアの魔法回数が多ければ安心できるが、今の俺はただの盗人だし、ミヨモにしても威力の高い魔法がないと攻撃面で不安だからな」
「ジャン君……」
「だが、もし間に合わなければ資格はく奪は俺達だけでいい、ニラダ達はここで待っていてくれ」
「ジャン、それは……」
「いや、彼の言う通りだ、全員がクエスト不参加のリスクも避けた方がいいだろう」
「じゃあ、行くぜ、ミヨモはどうする?最悪は俺1人でも……」
「ううん、私もやっぱり取りに行く。このまま参加してニラダ君やティアさん、カイルさんの足を引っ張りたくないもん」
「決まりだな、待っていてくれみんな!」
そう言ってミヨモとジャンはドットの工房に頼んでいた装備を取りに行った。果たして間に合うのか?
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