再度山へ
ニラダとケンが魔物を食い止めている間にそれぞれの馬車は食料を守りつつ、どうにか山を下りる事に成功した。そして休憩をとりつつ、ニラダとケンの到着を待つ事とした。
「それにしてもあのロナウドっていうリーダー、なんだかんだいいところあるじゃねえか、でももう少し素直に言ってもいいんじゃねえのか」
「まあね、でも先輩冒険者としてのプライドもあったし、ミヨモの気持ちも汲みつつ、威厳を保つ言い方としてはあれが最適だったかもね」
「それにしてもニラダとケンは大丈夫なのか?」
「彼らが簡単にやられるとは思えないけど、いつまでも待てない事情もあるしね」
ジャンもティアもニラダ達の事は心配ではあるが、信じギリギリまで待つしかないという話をしているとミヨモの行動が目につきティアが声をかける。
「ねえ、ミヨモ、いくらなんでも食べるのゆっくり過ぎない?」
「だって、私達が少しでもゆっくり食べればそれだけニラダ君達の帰りを長く待てるんでしょう?だったら私にできるのは少しでも時間を稼ぐ事だよ」
「確かにロナウドさんはあえてああいう言い回しはしたけど、それでも限度はあると思うし、あんまりあからさまなのもかえってまずいわ」
「うーーーん、いい作戦だと思ったのに……」
ミヨモはロナウドの発言の意図を読み、少しづつゆっくり食べながらニラダ達の帰還を待つという作戦を実行するが、その様子があまりにあからさまな為、心証が悪くなるんじゃないかという指摘を受け、少し落ち込むが、次の瞬間、ジャンがミヨモ達に言葉を放つ。
「まあ、気持ちは分かるが、あまりに遅すぎるのもな、ちょっと俺に考えがあるから任せてくれ」
「ジャンさん?」
「ミヨモ、ジャンがここまで言っているし、少し任せてみましょう」
「うん」
ティアとミヨモの言葉を受け、ジャンは他のパーティーメンバーにも呼びかける。
「おーーーい!ちょっと早く食べ終わったから少し山に戻ってあいつらの様子を見てくる!」
「何だって⁉っていうか1人で大丈夫なのか?言っておくが二次遭難はごめんだぜ」
「心配いらねえ、ちょっと近くまでだ!それに俺には霧のスカーフっていう装備品があるし、1人の方がかえって都合がいい」
「魔物から認識されねえアイテムか、分かった!遭難だけはすんなよ!」
ジャンの提案をロナウドが受け入れるとそのままジャンは再度山へと向かう。
「大丈夫かなジャンさんまで……」
「言ってたじゃない、そんなに遠くじゃないって、それに彼には霧のスカーフがあるし、いざという時には魔物から逃げられるわ」
ニラダ達の捜索の為に再度山に戻ったジャン、ニラダ達との合流は果たせるのか?
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