試し撃ち
鍛冶師ドットにクエストで得た魔物の部位を素材として渡し、弓で射る為の矢を作ってもらうよう依頼し、完成した1本の矢でニラダは試し撃ちを試みる事にする。
試し撃ちの的はドットの鍛冶の工程で生まれた鉄くずでそれを木にぶら下げてもらい、ニラダは矢の試し撃ちをする。
ニラダの弓を射る姿勢はとても初心者とは思えず、ドットも感心して思わず言葉がもれる。
「ほう、ニラダの奴なかなかさまになっているじゃねえか」
ドットがそう言うと、ニラダは弓から矢を放つが外してしまう。
「あれ?」
「あちゃー、まあ初めてだし、そもそも狩人みたいな狙撃スキルもねえし、練習あるのみだな」
「狙撃スキル……そうだ!」
何かを思いついたニラダは弓を射ると同時に魔法の呪文を唱えた。
「スナイプ!」
スナイプという名の呪文を唱えて矢を放つと、見事に的に命中してその様子を見たドットから質問をされる。
「ニラダ、今呪文を唱えたら矢が命中したが一体何をしたんだ?」
「今のはスナイプと言って、狙撃能力を高める魔法だよ」
「そんな魔法まで習得していたのか⁉」
「パーティーに加わるのはさっき言ったように狩人やあと短剣を投擲するのが得意人もいるだろうし覚えておいて損はないかと思ってね」
ニラダは基本的には攻撃・防御・速さを高める補助魔法を習得したが、他にもその分野が得意者をより強化できるように様々な補助魔法を身につけたのだ。
「まあ、まさか自分に使うとは思わなかったけどね」
「まあ、お前自身が補助魔法の効果がとんでもなくなるスキルを身につけていたわけだしいいんじゃねえのか」
「そうだね、だけどいつまでもソロ活動ではなかなか大きなクエストに挑めないけどね」
「今回の合同クエストで一緒になった奴がそのまんまパーティーを組んでくれればいいんだけどな」
ドットの言う事はニラダも考えていた。合同クエストはあくまでも一緒にやってもいいと思う冒険者がいなければクエスト自体に挑むことはできないのだ。
だから今回の合同クエストを機に自分のパーティーを組めればという考えもあった。実際に合同クエストがきっかけでパーティーを組んだ例もあるので。ニラダとしてはそこに期待するしかないのだ。
そしてその後ドットが残りの矢を作り、すべて受け取るとドットに報酬を支払いニラダは工房をあとにする。
「それじゃあまたね」
「おお!合同クエスト、誰か来てくれるといいな」
ドットの言葉を受け、ニラダはいよいよ合同クエストの希望者を確認する為に冒険者ギルドへと向かう。果たして?
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