　新たな剣、ホープブレードを手に入れたニラダ達は数日後にようやく所属ギルドがあるデデンの街まで到着する。

「久しぶりにデデンに帰ってこれたーーー」

「本当に久しぶりね、こんなにデデンを離れた事は冒険者になってからなかったかもしれないわ」

「まずは装備品だな、早くドットの旦那のところに行こうぜ」

「そうだな……ん？どういう事だ冒険者達がどんどんとギルドに集まっているな」

　ニラダは冒険者達が次から次へとギルドに集まっているのを見て不思議な感じがしたが、ティアがその状況について自分の考えを話す。

「もしかしたらまた緊急クエストかもしれないわ」

「緊急クエストか、とりあえずドットおじさんのところは後回しだな、まずは何があったかを把握しておこう」

「うん、行ってみよう」

「ああ、またあんな盗賊団でも現れたら大変だからな」

　冒険者がギルドに集まる様子を見て、緊急クエストの可能性を感じたニラダ達はギルドに入るが、前回の緊急クエストと違い1パーティーづつ受付に並ぶのではなく、大広間へと冒険者達が入っていく様子が見られており、なにか様子が違う事を感じていた。

「どういう事だ？クエストの話じゃないのか？」

「明らかに前の緊急クエストとは様子が違うわ、もっと大きな何かが起きているというの？」

「とにかく私達も行ってみようよ、それで私達も何をすればいいか分かるから」

　一同がそれぞれ言葉を発する中、ニラダは一言口にした。

「冒険者緊急招集……」

「ニラダ君？」

「師匠から聞いた事がある、世界的な脅威が起きたと国が判断すると冒険者ギルドに所属する冒険者もそれに対する対処の為に招集されてギルごとに1つのいわば大きな集団を形成すると……」

「世界的な脅威って何だよ？魔王とかか、魔王は勇者が討伐するんじゃないのか？」

「今は勇者不在の時代だ……」

「マジかよ……」

「魔王にしろ、そうでないにしろ、これほどの招集よただ事ではないわ」

「魔王、勇者不在……私達にできる事って……」

　冒険者緊急招集、それが起きているのではないかと推測するニラダは仲間と共に大広間に入り、続々と冒険者が集まっていくと受付嬢より声をかけられる。

「あの申し訳ありません、こちらにパーティー名、それから個人名をご記入ください」

「あ、はい」

　そう言われてニラダ達はパーティー名、それからそれぞれの個人名を書類に記入し、大広間でしばらく待機しているとカーリソンギルド長が現れる。

「カーリソンギルド長⁉やっぱりなにか起きているのか？」

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