修行の身
突如ニラダ達の前に現れたティアと名乗る、ヒーラーの女性はニラダ達にヒーラーが必要なら自分を加入させてはどうかと話を持ち掛け、更に最近のニラダの噂についても言及する。
「あなたの肉体的能力はすぐに打ち止めになるかもしれないという理由で加入の話がないと思っているようだけど私は違うと思っている」
「何?どういう事だ?」
「多分だけど前衛の冒険者がパーティーで役割を奪われることを危惧しているんじゃないかしら、それで並の前衛以上の能力を補助魔法とスキル込みとはいえ発揮できるあなたの加入は自分の存在意義を脅かしかねない。そう思っているんじゃないかと思うわ」
「それなら後衛しかいないパーティーからは……あ!」
ティアの話を聞いて、ニラダは別の可能性にも気付き、それをティアも指摘する。
「そうよ、パーティーのリーダーはほとんどが前衛担当よ、だから余計にあなたの加入を渋るのよ」
「そうすると俺は結局自らが代表になってパーティーを作るしかなかったんだな」
「まあ、多分その方があなたの良さが結果的には活きているわけだし良かったんじゃない、ヒーラーが必要なら私を加えてみない?」
「それは構わないが、あなたの得意のは治癒魔法と他には?」
ニラダはティアに対して治癒魔法以外の得意魔法を聞くがティアの返答は意外なものだった。
「ないわ。治癒魔法だけよ」
「え、そうなの」
「ええ、その代わり、私のユニークスキルはその治癒魔法を存分に活かせるから」
「それならそのユニークスキルを教えてもらってもいいか?」
ティアは治癒魔法のみしか使用できないヒーラーである事を打ち明けるが、ユニークスキルは治癒魔法を存分に活かせると豪語する。
そしてニラダより尋ねられて、そのスキル名と効果を明かす。
「スキル名は『
「それはすごいが魔物との乱戦中に魔物にもかけてしまわないのか?」
「それは大丈夫よ。ちゃんと私のスキル範囲内にいれば対象者にしか魔法がかからないから」
ティアにスキル範囲内にいれば対象者にしか魔法がかからないという事を聞いてニラダは次の質問をぶつける。
「それであなたがどうして俺達のパーティーに加わろうと思ったんだ?」
「私も修行の為に冒険者になった身でね、まだ未熟とはいえ自らの力で成長しようと思っているあなた達の手助けをしたいと思ってね」
「ティアさん、もしかしていい人!」
「これでも聖職者を志す身よ、熟練パーティーなら私の力は必要ないかもだけど、あなた達には必要そうだし」
「ありがとうティアさん、私歓迎する」
「とりあえずあなたの加入はありがたいし、一度ギルドで加入申請をしよう」
とりあえずティアの加入を受け入れるニラダ達、彼女の実力やいかに?
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