離脱できないクエスト
新たに「魔王軍幹部討伐」という超緊急クエストの依頼をギルドとして受けた事を示したカーリソンギルド長、その事実に冒険者達は驚きを隠せず困惑するばかりであった。
「いきなりの事で驚くのも無理はあるまい、だが世界に脅威が迫っている事は諸君らにも理解してもらいたい」
「……ギルド長、俺達はその魔王軍の幹部を退治すればいいって事ですよね」
「まあ、主だった役割はそうだが、他にも果たす役割はある。ここで
ギルド長の発する言葉の
「ん?
「……カーリソンギルド長、たった今我らとおっしゃいましたが、もしやギルド長も前線に出るおつもりですか?」
「察しがいいな、基本的にはギルドで得た情報を諸君らに提示し、領主様との連絡役を担うつもりだが、状況によってはわしも前線に出るつもりだ」
ギルド長であるカーリソンが状況によっては前線に出ることに更に冒険者はざわつき、ニラダ達もその事に驚きを隠せないでいた。
「まだ、何がどうなるかも分かんねえってのに、前線に出る覚悟をギルド長がしてんのかよ」
「確かカーリソンギルド長って、冒険者はすでに引退しているんじゃなかったっけ」
「それだけ恐ろしい事態を想定しているって事なのね」
「……」
そこからカーリソンは自身とギルド職員で今回のギルドの自分達の主な役割を話し始めた。
最大の役割は魔王軍の幹部の討伐であり、それらの手配書は現在ギルド職員が大広間の壁に貼り付けていた。
無論それだけではなく、襲撃対象が予測される街の防衛、住民の避難、要人警護と様々な役割を公表した。
「そこでだ、討伐した者やパーティーには特別ボーナスとして報酬を加算するが、本クエストは参加した時点で報酬を支払う約束をする」
「おお!ギルド長、気前がいい!」
「但し!本クエストは参加した時点でクエスト達成か、死亡するまでの途中離脱は許さぬ!」
「!」
「だが遺族には正規の軍属と同等の恩給を支払う事も既に領主様は約束されている。とはいえ自身の命が惜しい者はいるだろうし、しばしこの場を離脱する猶予をやろう」
本クエストは途中離脱や放棄は許されない事を示され、わずかながらに大広間から出て行く者もいてそれはパーティー間でも割れていた。
「待て、お前抜けるのか!」
「悪いけど、さすがに今回はパスだ」
「それなら俺のパーティーからも抜けてもらうぞ」
「好きにしてくれ、俺は俺でやるさ」
ニラダ達はどういう選択をするのか?
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