ハイバイへの帰還
カイルが自らがテリソン率いる部隊を引き付け、その隙にニラダ達を逃がすという作戦を伝える。
作戦通り、カイルはテリソン達の前に現れ、隙を見てニラダはミヨモと共にその場を離脱する。
「はあ、はあ、ミヨモ大丈夫か?」
「はあ、はあ、私は大丈夫、だけどカイルさん……」
「とにかく今は俺達も早くハイバイに戻ろう、魔物がハイバイを目指している事はティア達が伝えているだろうけど、テリソンの本隊が迫っている事は俺達しか知らせられないんだ」
「うん……分かっている……」
ニラダよりカイルがテリソンを引き付けている間に離脱するよう言われ、一緒に離脱したがカイルを置いていった事にはまだ完全に割り切れないミヨモではあったが、それでも街の人を守る為に再びミヨモは歩き出す。
ミヨモが動き出すとニラダも動き出し、少しづつハイバイに近づいてきた。
「ん?あれは冒険者の!団長!冒険者が戻ってきました!」
「そうか。近くに魔物はいないか?」
「はい!おりません!」
「ならば急いで門を開けろ!」
本来ハイバイは街に過ぎなかったのだが魔物防衛の為に簡易的な砦を作り、門も建てていた為、急いでガードは門を開くよう知らせるとともに、ガードはティアとジャンに声をかける。
「君達、君達の仲間も調査から戻って来たようだ!」
「ニラダ達が⁉」
「今、門を開いている、君達も来るか?」
「はい!」
ティアとジャンはガードの呼びかけに応じ、ニラダ達を迎え入れる為に門まで移動する。
既にニラダ達は門を抜けており、2人の姿を見たジャンが声をかける。
「おお、ニラダ、ミヨモ、無事だったのか!」
「はあ、はあ、何とかね……」
「ん?ねえ、カイルさんはどうしたの?一緒じゃなかったの?」
「実は……」
ニラダはテリソン率いる本隊に捜索の為に事実上包囲された事、そしてニラダ達を逃がす為にカイルが敵の目を引き付けた事を話す。
「そんな、カイルさんが……」
「いくらAランクでも無事に済むわけねえだろう、そんなの!」
「ごめん……カイルさんを見捨てる事になって……」
「ミヨモ、それはカイルさんも覚悟の上だっただろうし、あなた達のせいではないわ」
「……ティアさん……」
「辛いのは私も同じよ、でも今はこの街の人を守る為に戦わなくちゃ」
カイルを見捨てた事に責任を感じるミヨモを励ましながらも戦う決意を促し、一連の話を聞いた兵士はガードに進言をしていた。
「団長、どうやらテリソン自らこの街に来るようですが、領主様や他の街の防衛部隊に援軍を要請するのがよろしいかと」
「援軍か、だがそれは我々が持ちこたえる事が前提にある。無駄に兵を動かせば隙を突かれるかもしれん」
テリソン本隊が迫る事で新たな防衛策を迫られる兵団長ガード、彼の決断は?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます