悪役令嬢の姉はヒロインの妹を溺愛す
風間 シンヤ
0.前世の記憶を思い出しても妹は可愛い
「まって〜!?おねえさま〜!?」
と、言って今日も今日とて私の後ろを追いかけてくる私の妹アリー・ステインローズはやっぱり天使だわ!!
アリーに待ってと言われる私、アリーの双子の姉であるアンナ・ステインローズは、妹に言われた通り待ってあげるか、ちょっと意地悪してアリーの制止を無視するか悩んだ。
が、結局アリーの必死で私に追いつこうとする姿を堪能したくて意地悪する選択肢を選んでしまった。うん。やっぱり私の妹は今日も天使だわ!!昔からこんな可愛い妹が欲しいと思ってたのよね!役得だわぁ〜……ん?昔からって……私とアリーはまだ5歳のはず……
と、そんな風に妹の姿を愛でつつ考え事をしたせいか、その場で派手に転んでしまった。その転んだショックで、私は色々思い出した……私の前世の記憶を……
前世の私は普通の乙女ゲームマニアの女子高生だった。そんな私が死ぬ前にプレイしていたゲーム「リリカルスクールラブ」は、主人公の娘が可愛くて、攻略対象者より主人公が私の推しだった。
確か、主人公は伯爵令嬢で、あらゆる属性の魔法にプラスして光属性の魔法まで使える上に、貴族の礼節を重んじ、民草にも優しい、まるで非の打ち所がない美少女だった。
そんな主人公に嫉妬し、主人公に嫌がらせをしまくる悪役令嬢が、確か主人公の双子の姉だった。とにかくひたすら嫌がらせしまくる姉に、「私がこの姉だったら妹可愛がりまくるのになぁ〜……」と何度思ったか分からない。
確か……その姉の名は……アンナ・ステインローズ……ん?あれ?これ……今の私じゃね?そういえば……主人公の名前は確か……アリー・ステインローズ……えっ……えっ……えぇぇぇぇ〜ーーーーーーーーーー!!!!?
「……ねえさま!……おねえさま!?大丈夫!?怪我はない!?」
あぁ……今日も私の天使な妹はやっぱり可愛い……って!?そうじゃない!!?銀髪のセミロングのストレートに碧い瞳……あぁ……やっぱりアリーは天使の生まれ変わりだわ……!って!?だからそうではなくて!!?落ちつけ!!私!ビークール!ビークール!
うん。間違いない。この娘は……私の妹は……「リリカルスクールラブ」の主人公!アリー・ステインローズだぁ〜!!えっ!?って事は!?その双子の姉である私はアリーに嫌がらせをする悪役令嬢アンナ・ステインローズ!!?
ちょっ!?勘弁してよぉ〜!!?アンナ・ステインローズって言えば、最後に妹を殺人未遂させて投獄されるキャラよ!?破滅の未来しかないキャラ!!?って言うか!こんか可愛い妹にそんなマネが出来る訳ないでしょうがぁ〜!!?神よ!!なんちゅうキャラに転生させるんじゃ!?マジで恨むぞ!!?
「おねえさま!?大丈夫!?頭が痛いの!?」
私が頭を抱えて悶絶してるのを勘違いしてる私の妹が超可愛い。じゃなくて、落ち着け。私。投獄の運命を免れたいなら、この娘から距離を置くべきなんだけど……
「おねえさま?」
無理だぁ〜!!?首をコテンと傾げて私を見つめる私の妹天使か!!?うん!天使だ!間違いない!この娘は天使に間違いない!!
うん。一旦落ち着こう。いや、落ち着くというより腹を決めたと言うべきだな。私は天使のような妹をぎゅっと抱きしめた。
「おねえさま!!?」
「アリー!アリーのしあわせは私がかならずなしとげてみせるから!たとえ!私になにがおこったとしても!!」
私は妹を抱きしめたままそう宣言した。そうだ!投獄がなんだ!自分の身なんかよりも!この天使のような妹の方が大事に決まってる!!
「うん。なんかよくわかんないけど、だったら私はおねえさまをまもるね!」
ぎゅっと握り拳を作って私に微笑んで宣言する妹が今日も天使だ……
こうして、私の妹の為の戦いが始まったのだった……
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