37.妹は言うまでもなく可愛いが、姉はもったいなさ過ぎる
リンチェルは来店してきた双子姉妹客に目が釘付けになった。見た目が似てるし間違いなく双子であろう。
まず、一緒に来た女性を「お姉様」と呼んでるこの妹らしき人物。もう100人中100人が天使と認める程の可愛さだ!この娘ならどんな我が子達でも着こなしてしまうに違いない!と、リンチェルは確信した。
いや、待てよ……天使らしい愛らしさのあるこの娘なら、逆にあの色の服の組み合わせとかもイケるかもしれないわね〜……
と、頭半分は妹であるアリーに着せる服を考える中で、もう頭の半分は姉ねアンナにも注目していた。
リンチェルが姉のアンナを一目見て思ったのは……
(もったいない!!?)
だった。
リンチェルは長年服のデザインをし、モデルに自分がデザインした服を着てもらったりなどをしてきてた為か、服越しでもスリーサイズが分かったり、相手の顔の肌を見ただけで、その人の全体的な肌色が分かる特殊能力を得ていた。
そんなリンチェルが見たアンナの特長。それは、肌の白さだ。妹の方も確かに白さはあるが、姉は更に際立った白さだった。恐らく、今も長い袖の服に、長いスカートを履いてるのを見ると、日に焼けるのを相当嫌ってるのだろう。
現にその通りで、アンナは日に焼けると真っ赤になり、肌がヒリヒリするのが嫌なので、かなりの日焼け対策を施して、夏でも長袖の服を着ている。暑さ的問題は魔法でカバー済みである。
が、リンチェルからしたらそれがもったいなかった。自分の我が子なら!その素晴らしい白い肌を魅せる事の出来る子がたくさんいるのに!?いや!?その素晴らしい白い肌がダメになるのも困るけど!?あぁ!?ジレンマぁ〜!!?
(それに……肌だけじゃない……あのお姉さん……スタイルも抜群じゃない……)
リンチェルの目は更にアンナのスタイルにも目をつけていた。胸は妹も大きいが、恐らく姉の方がわずかに大きいだろう。それに、腰も細い上に、お尻もキュッと引き締まっている。妹もスタイルがいいのだが、姉は女性が理想としているスタイルを獲得している。
のに!?だと言うのに!!?その素晴らしいスタイルを!?今着てる若干ブカブカな服が隠してしまっているのだ!?もったいない!?すごくもったいない!?もったいなさすぎるぅ〜!!?
最早、リンチェルの頭の中ではこの姉妹にどの服を着せるべきかで頭がいっぱいになっていた。
と、その時……
「それじゃあ、私がアリーに似合いそうな服を選んでみるわね」
「それでは、私はお姉様のを……」
という姉妹の会話が聞こえてきた。
(これは……!?チャンス!!)
リンチェルは一瞬ニヤリと笑ったが、すぐにニッコリ笑顔スマイルを浮かべながら2人に近づいて行った。
そして、オーナーはそんなリンチェルを見て諦めの溜息をついた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます